このページの本文へ

NTTPC、IoT向け閉域型SaaS「エッジマネジメントサービス」開始

2023年08月29日 14時15分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

エッジマネジメントサービス

 NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は8月28日、IoTビジネスにおけるエッジの動作状況把握やエッジアプリケーションの運用負荷削減を可能にする閉域型SaaS「エッジマネジメントサービス」を提供開始した。なお、本サービスは、新規事業創出プログラムで選ばれた社員のアイデアを事業化したもの。

IoT/エッジコンピューティング導入に関する運用管理の壁

 IoTの普及に伴い、さまざまなトラブルや運用管理に関するいわゆる「壁」となっている負荷のうち7割が「運用フェーズ」のものであり、IoT/エッジコンピューティングの効果を妨げているケースも少なくないという。

 本サービスは、NTTPCが長年の提供実績を持つ閉域通信網を利用し、セキュアな環境でリモートから安全にエッジを管理するための運用管理基盤をSaaSで提供し、ユーザーの運用業務を最低限に抑えられることが特徴。

 エッジ(IoTゲートウェイ)の監視だけでなく、エッジアプリケーション、SIMの接続状況(今後対応予定)の展開と管理を遠隔で実現することが可能。また、管理者や技術者が現地に向かう必要がなく、移動コストの削減・高所作業等のリスク回避ができるとする。

 また、インターネットを経由せず閉域通信網を利用するため、センサーデータ等の通信秘匿性を向上させ、インターネット上での悪意あるアクセスの脅威からエッジを保護する。

 本サービスは1IDから利用でき、需要に応じた拡張が可能。エッジマネジメント基盤の自社開発が不要となるメリットがある。

エッジマネジメントサービスの利用シーン

 同社は本サービスの利用シーンとして、駐車場管理サービスでの課題解決を挙げている。エッジAIを活用する駐車場管理サービスにおいては、全国展開にあたり、AI開発者が担っていたエッジ運用業務(エッジ監視、ソフトウエアアップデート、セキュリティー対応)の増大が想定される。本サービスにより、AI開発者以外によるエッジの運用管理が可能となり、AI開発者のチームと運用エンジニアのチームを分離し、サービス品質向上に加え、AI開発者が新たなサービスの開発に注力する環境を実現できるとする。

 今後は、パートナーの声を反映した機能強化を予定している。また、同社は7月27日に「チップ型SIM」を提供開始しており、本サービスにおいてもチップ型SIMなどを搭載した各種センサー等の通信状況の見える化機能を、本年度下期に提供する予定としている。

 本サービスの基本料(テナント料)は月額1万円(最低利用期間は12ヵ月)、ID料は1IDにつき月額800円。いずれも初期料金は無料。

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード