Core i7-13700+Intel B760+GeForce RTX 4070のパーツ選択
夏休みに組みたいっ!! 25万円の予算で満足度100点超えのゲーミングPC
夏も盛りになろうとしているが、ここにきてメモリやSSDの価格はかなりお安く、PCパーツも新型コロナによるお籠り需要の高騰期から脱してお求めやすくなっている。賢いPC DIYユーザーであればお気づきだろう。買い時は今だ!
……ということで今回は25万円前後(少しアバウト)という予算を設け、ゲーミングPCの作例を紹介しよう。まもなく夏休み、お盆休みがやってくる。年に数回しかないまとまった休みをとれる時期、PC DIYをしてみてはいかがだろうか。本作例がそのパーツ選択のヒントになれば幸いだ。
25万円前後の予算で狙うはアッパーミドルクラスのゲーミングPC
まず25万円前後の予算でパーツ選びをしていくと、アッパーミドルクラスのPCになるだろうと予想される。最近のパーツ価格で見ていくと、統合GPUを利用するエントリークラスが10万円以下、ビデオカードを搭載するミドルレンジが15万円前後、そしてアッパーミドルがあり、ハイエンドが30~40万円前後、ウルトラハイエンドは青天井といった予算枠ではないだろうか。昔(※超円高時代は例外)と比べれば予算枠も高くなっているが、アッパーミドルまではそこまで大きく価格上昇してはいない。5年前のアッパーミドルもおよそ20万円台だっただろう。
一方で、パーツの性能は大きく向上している。ここ数年でCPUはコア数を増やし、ビデオカードの性能も大きく飛躍した。メモリも5年前では手が届かなかった大容量キットがお求めやすい値段になり、SSDはM.2 Gen4 x4が広く普及した。これによりアッパーミドルクラスのゲーミングPCも、数年前ならフルHDで最高画質、WQHDで高画質あたりを狙っていたのが、現在はWQHDで最高画質、4Kで高画質とシフトしている。ゲームタイトル自体も年々グラフィックスを向上させ、GPUへの負担が高まっているわけだが、25万円前後のアッパーミドルクラスのゲーミングPCを選べばひとつ上のプレイ環境へと引き上げてくれるわけだ。
こうして見ると、アッパーミドルクラスというのは予算的に、そしてその予算で得られるパフォーマンス的においしいところと言えるのではないだろうか。さあ、ゲーミングPCを買い換えたい気持ちが高まってきたところで、今回厳選したパーツたちを紹介していこう。
安くてもしっかりゲーミング仕様「B760 GAMING PLUS WIFI」
最初に紹介するパーツはマザーボードだ。今回選んだマザーボードはMSI「B760 GAMING PLUS WIFI」。2023年6月16日に発売開始となった製品で、Intel B760チップセットを搭載するリフレッシュモデルと言えるだろう。この製品の魅力は「お求めやすい価格だが、ゲーミングスペックが充実している」ところにある。同社のIntel B760チップセット搭載マザーボードラインナップの中ではアッパーミドルと言うよりミドルレンジあたりになると思われるが、ゲーミングスペックという余裕をしっかり備えつつコスパのよいマザーボードを見つけられれば、その後のパーツ選びで予算の割り振りがラクになる。引き続きB760 GAMING PLUS WIFIのゲーミングなスペックを紹介していこう。
まずはB760 GAMING PLUS WIFIのレイアウトを見ていただきたい。特徴的なのが拡張スロットで、PCI Express x16スロットが5本(レーンは上から順にGen4 x16、Gen3 x1、Gen4 x4、Gen3 x1、Gen3 x1)並んでいる。拡張スロット数が豊富で、とくに下2、3スロットはハイエンドビデオカードを搭載しても利用できるレイアウトだ。その代わりにM.2スロットは2基(ともに最大でGen4 x4)、Serial ATA 3.0は4ポートで、ストレージの搭載可能数は少ない。チップセットがIntel B760なのでPCI Expressレーン数が上位チップセットほど多くはないというのが理由と思われるが、一般的に多くの方はシステム+データの2つのM.2 SSDにいくつかのSerial ATA 3.0があれば十分にまかなえるのでニーズを満たせる。もちろん、大量のM.2 SSDや大量のHDDを内蔵したい特殊なニーズの方は別のモデルを選んだほうがよい。
メモリスロットはDDR5だ。DDR5メモリの価格も一時期と比べてこなれてきており、手を出しやすくなってきている。容量単価で言えばDDR4メモリのほうがまだ安い状況だが、これからはDDR5メモリの時代だ。本製品は24/48GBモジュールについてもサポートしており、最大搭載可能容量はDDR4時代の128GBから192GBへと拡大している。
高速USBについてはリアにUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、フロントにUSB 3.2 Gen1 Type-Cヘッダーを搭載している。ネットワークは有線LANが2.5GbE、無線LANがWi-Fi 6E。
ゲーミングマザーボードの要であるVRMは12+1+1フェーズ。コスパ向けではあるがフェーズ数的には余裕を持たせた構成だ。ここにMSIマザーボードではおなじみの大型ヒートシンクが搭載される。効率よく放熱できれば、MOSFET自体の熱が抑制され、変換効率の低下を抑えられる。CPU用電源端子は8+4ピン。本製品の性格からすると基本的には定格運用向きで、+4ピンはブーストを最大化するための余裕を持たせるためと言えるだろう。こうしたあたりがゲーミングマザーボードという要件を満たしつつ、低価格を実現できたポイントだ。
ゲーミング目線でCPUは「Core i7-13700」、メモリはDDR5-5600の16GB×2
これに搭載するCPUはIntel Core i7-13700を選択した。高性能コア(Pコア)が8基16スレッド、高効率コア(Eコア)が8基8スレッドの計16コア24スレッドというコア構成でありながら、ベースパワーは65Wと控えめだ。もちろん最大ターボパワーは219Wと高いので、高性能CPUクーラーとの組み合わせが望ましいものの、2万円、3万円といった大掛かりなクーラーを用意しなくてもまかなえる。
DDR5メモリはDDR4メモリに対して容量単価がまだやや高く、何を選ぶか非常に悩ましい。ただ、今回は25万円前後という予算枠を設けたため、コスパのよいスタンダードメモリ(JEDEC準拠)から選ぶこととした。容量は8GB×2または16GB×2という選択肢がある。8GB×2のほうがお財布には優しいが、メモリ自体コスパが改善しており、今やゲーミングPCでは16GB×2があたりまえになりつつあることもあってここは16GB×2枚キットとした。製品はCrucial「CT16G56C46U5」(DDR5-5600、16GB×2枚)。ヒートシンクは非搭載だがブラック基板なのでクリアサイドパネルから見た際もそこだけ浮くようなこともない。
CPUクーラーは水冷で「MAG CORELIQUID M240」
CPUがCore i7-13700となると、定格なら空冷でもまかなえる。しかしゲーミングでCPUのブーストを効かすとなれば簡易水冷のほうがよいだろう。もちろん冷却も高性能であるほどブーストが効く。ただし予算もあるのでCore i7-13700なら24cmクラスでよいだろう。今回用いたのはMSI「MAG CORELIQUID M240」だ。
MAG CORELIQUID M240は、水冷ヘッドとラジエータファンにRGB LEDを搭載する24cmクラスの簡易水冷クーラーだ。なお、今回用いたマザーボード「B760 GAMING PLUS WIFI」のヒートシンクはグレー。MAG CORELIQUID M240もグレーの水冷ヘッドで無骨なデザインもピッタリの組み合わせだ。
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