アップルのARグラス「Vision Pro」でスマホの次がハッキリ見えた! 「WWDC23」特集 第30回
ベンチ結果で判明「15インチMacBook Air」はProに匹敵するパフォーマンス
2023年07月12日 08時30分更新
チップの世代の差がはっきり現れるGeekbench結果
Geekbenchは、良く知られたベンチマークテストの1つで、その中のCPUテストは一般的なCPU性能を測るもの。テスト結果は、CPUコアを1つだけ使った場合(Single)と、実装しているコアをすべて使ったマルチコア(Multi)の各場合ごとに独自のポイントで表示する。この値が大きいほど高性能ということになる。
CPU性能は、1つのコアでもマルチコアでも、M1よりM2の方が若干高い。他の要素の影響はほとんど考えにくいので、純粋なCPU性能が向上しているものと考えられる。同じM2でも、13インチより15インチが速いが、値は誤差範囲と言える。M2とM2 Proを比較すると、シングルコアでは違いはさほど目立たないが、マルチコアでは大きく異なり、8対10というCPUコア数から類推するよりはるかに大きな違いとなっている。M2 Proの10コアCPUの内訳は、高性能6+高効率4で、高性能4+高効率4のM2と比べると、合計コア数以上の違いがあるのは当然だ。
なお、ここで使用しているGeekbenchアプリのバージョンは、5.5.1で旧タイプだ。テスト実行時の最新バージョンは6.1.0で、14インチMacBook Proと15インチMacBook Airについては最新版でも計測しているが、バージョン5と6ではポイント算出の基準が異なるので単純に比較できない。比較対象となる他の2モデルはバージョン5でしか計測していないので、今回はバージョン6の結果は示さない。今後、比較するモデルの計測が、すべてバージョン6で揃った時点で、切り替えることにする。
GeekbenchのCompute(バージョン6以降では「GPU」)は、OpenCLとMetalの各APIを使って、GPUの数値演算性能を評価する。
M1搭載モデルはGPUのコアが7で、M2のMacBook Airは10だが、それ以上に大きな差が付いている。同じM2の13と15インチモデルは、やはりわずかに後者の方が速い。数字としては、これも誤差範囲と考えられるが、上のCPUテストも含めて、傾向としては15インチモデルの方が若干速いと言えそうだ。GPUのコア数が16のMacBook Proは、さすがに他を大きく引き離している。これは単純にGPUのコア数の違いによるものと考えていいだろう。
GeekBenchのCPUと同傾向のCinebench結果
Cinebenchは、(GPUではなく)CPUを使って3Dグラフィックを描く処理の性能を評価する。ほとんど純粋なCPU性能を計測することになるため、結果はGeekbenchのCPUテストとよく似たものとなった。
グラフの形も似通っていて、1つのコアでも複数のコアでも、M1よりM2の方が若干速く、同じM2では13インチより15インチが「わずかに速い」というもの。このCinebenchのマルチコアのテストでは、CPUに最大の負荷をかけたまま、最低でも10分間は連続運転となる。そのため、ファンレス設計のMacBook Airでは、発熱を抑えるために、途中で自動的にCPUクロック周波数が調整される可能性がある。強制空冷機構を持ったMacBook Proとのマルチコアでの差が、Geekbenchよりさらに大きくなっているのは、そのためと考えられる。
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