
本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「ネットワークカメラをクラウドに繋ぐ新たな選択肢。メディア転送サービス SORACOM Relay を発表」を再編集したものです。
こんにちは、ソラコムでプロダクトマネージャーを担当している清水 (yuta) です。
このエントリではソラコムのIoTカンファレンスDiscovery 2023にて発表された新サービス、SORACOM Relayについて紹介します。
SORACOM Relay とは

SORACOM Relay (ソラコムリレー)はRTSPに対応したネットワークカメラの映像・音声を、オンデマンドに、SORACOM 経由で安全にクラウドに転送するサービスです。映像をカメラから受け取り、それを活用するクラウドに受け渡す行為を表現するワードである「リレー」をサービス名に選びました。
RTSP (Real Time Streaming Protocol)はネットワークカメラなどから映像・音声データの配信を制御するときに用いられるプロトコルです。ネットワークカメラがクライアントからの要求に応じて映像をストリーミングします。
RTSPを使用する場合、ネットワークカメラに対して動画のストリーミング要求をするクライアントが必要になります。NVR(ネットワークビデオレコーダー)やVMS(ビデオマネジメントソフトウェア/システム)を導入し、カメラからの映像をストリーミングで受け取ってストレージに保存する構成が一般的です。この場合、カメラと NVR や VMS はローカルネットワーク内で接続される場合がほとんどです。一方、クラウドカメラと呼ばれる、ネットワークカメラがインターネット経由で映像を直接クラウドに録画する構成も普及が進んでいます。この場合、送信先に合わせた独自のファームウェアをカメラにインストールする必要があったり、プリインストールされて特定のサービス専用の製品として販売されていたりします。

SORACOM RelayはSORACOMプラットフォーム上で動作し、SORACOMネットワーク経由でネットワークカメラに接続します。これによって RTSP 経由でカメラに接続し、クラウドにデータを転送するという構成を実現しています。オンプレミスに構築されている既設のネットワークカメラや、独自のファームウェアを導入できないネットワークカメラをクラウドと接続して活用いただけるようになります。
SORACOM Relay のもう一つの大きな特徴は「オンデマンド」です。
ネットワークカメラは常時録画のユースケースが主流ですが、SORACOM Relayは必要なときだけ動作するオンデマンドの仕組みになっています。1回の接続時間は最長8時間となっています。これにより、クラウド保存のコストを節約することが可能です。
使い方
SORACOM Relay をお試しいただくには、以下のものが必要です。
- SORACOM Relay Limited Preview へのお申し込み
- H.264 エンコードされた映像を配信できる RTSP サーバー
- SORACOM Air または SORACOM Arc を利用できるネットワーク環境
現在、SORACOM RelayはLimited Previewで提供しています。ユーザーコンソールよりお申し込みください。お申し込みいただいた方には、提供前に当社よりユースケースなどをヒアリングさせていただく場合がございます。ご利用用途やお申し込みの状況によっては、ご提供までにお時間をいただいたり、ご提供ができない場合がございます。予めご了承ください。
手軽に試すには、ソラカメ(ATOM Cam 2)と オープンソース VPN「WireGuard」に対応したルーターの組み合わせがおすすめです。まず、WireGuard対応ルーターにSORACOM Arcを設定し、ATOM Cam 2へのポートフォワーディングを設定します。その後、ATOM Cam 2のRTSPサーバーにSORACOM Relay経由で接続し、映像を取得します。
SORACOM Relayが映像を転送する宛先は現在 4つの選択肢の中から選べます。
- SORACOM Harvest Files
- Amazon Kinesis Video Streams (ソラコム管理)
- Amazon Kinesis Video Streams
- Amazon S3
まずは、ソラコムが提供するファイル保存サービスであるSORACOM Harvest Filesです。30秒ごとに区切られた TSファイルがアップロードされます。システムをソラコムで完結したいお客様、とりあえず試してみたいというお客様におすすめです。
次はAmazon Kinesis Video Streams(ソラコム管理)です。SORACOMが所有するAWSアカウントのAmazon Kinesis Video Streamsにデータを転送し、HLSセッション経由で映像をストリーミングできます。構築コストを抑えながら、リアルタイムに映像を確認、処理したいお客様におすすめです。
最後は2つまとめて紹介します。Amazon Kinesis Video StreamsとAmazon S3です。これらはお客様にご準備いただく環境です。AWSのIAMポリシー、信頼ポリシーでSORACOMのAWSアカウントからの接続を許可いただく必要があります。AWS 上の様々なインテグレーションにご活用ください。
ご利用料金
SORACOM Relayの機能はLimited Preview期間中は無料で提供します。SORACOM Relay経由でご利用いただいたSORACOM Air、SORACOM Arc、SORACOM Harvest Files などのご利用料金は無料になりませんので、ご注意ください。
まとめ
本記事ではDiscovery 2023で発表された新サービス、メディア転送サービス SORACOM Relayをご紹介しました。SORACOM Relay はネットワークカメラへの安全なアクセス手段を提供します。既存の設備のクラウド活用や、今まで実現できなかったユースケースの実現につながることを願っています。
また、Limited Preview での提供には、お客様の要望を取り入れてサービスをより使いやすく、大胆に進化させていきたいという思いを込めています。ぜひ皆様のフィードバックを聞かせていただけたら幸いです。
― ソラコム Product Manager 清水 (yuta)
投稿 ネットワークカメラをクラウドに繋ぐ新たな選択肢。メディア転送サービス SORACOM Relay を発表 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
-
第628回
デジタル
【SORACOM Discovery 2026】展示ブース紹介 第3弾:シルバースポンサー / ニューフェイススポンサー(ソリューション / サービス / インテグレーション編) -
第627回
デジタル
【SORACOM Discovery 2026】展示ブース紹介 第2弾:シルバースポンサー / ニューフェイススポンサー(デバイス/ソリューション編) -
第626回
デジタル
【SORACOM Discovery 2026】問い合わせ対応をAIでどう自動化・効率化する? LINE連携の成功事例セッション & 会場で試せる最新デモの見どころ -
第625回
デジタル
IoT活用支援の優秀企業を表彰する 「SPSアワード 2025」を発表 -
第624回
デジタル
【SORACOM Discovery 2026】展示ブース紹介 第1弾:プラチナ・ゴールドスポンサー編 -
第623回
デジタル
VPG トラフィックフィルタリング提供開始、SORACOM Flux が複数画像送信に対応、他 ほぼ週刊ソラコム 05/30-06/19 -
第622回
デジタル
現場DXの突破口はここに。SORACOM Discovery 2026 注目セッション&展示 -
第621回
デジタル
初めての SORACOM Discovery:効率的な事前準備と会場の回り方 -
第620回
デジタル
在庫の減りも、設備の異変も見逃さない! SORACOM Flux が複数画像入力に対応 -
第619回
デジタル
【SORACOM Discovery 2026】事業企画・サービス開発者必見!「組み込みIoT」で現場の課題を解決する事例とセッションのご紹介
