5G祭り! 5G内蔵ノートPCや5Gモバイルルーター、小型基地局などCOMPUTEX で見た5G製品を一挙紹介!
2023年06月06日 12時00分更新
PCやIT関連の展示会であるCOMPUTEX TAIPEI 2023だが、時代の流れに合わせ、5Gに関する展示も数多く見られた。コンシューマー向けの5G端末からプライベート5Gの基地局など、会場で見かけた5G製品を紹介する。
レノボやDELLの5G内蔵ノートPCをFibocomが展示
通信モジュールを製造するFibocomはノートPCやIoT向けの5Gモデムカードを展示し、同社製品を内蔵したノートPCの展示を行なった。モデムカードはクアルコムやメディアテックなどの5GモデムチップをPCなどに装着できるよう、M.2などの規格に合わせた汎用コネクタを持つカードとしてFibocomなどが製造している。
ノートPC用5Gモデムカード「FM350-GL」はMediaTekがインテルと共同開発した「T700」5Gモデムを搭載している。対応する5Gの周波数はSub 6、SAとNSAの両方式に対応し通信速度は下り最大4.67Gbps、上り最大1.25Gbps。Windows/Chrome/Linuxの各OS用ドライバーを提供し、各国の認証も取得、日本の技適も取得している。同カードを内蔵したノートPCの代表としてASUS「ExpertBook B7 Flip」、Acer「TravelMate Spin 6」、HP「Fragonfly Folio 13.5 G3」、レノボ「ThinkPad X1 Yoga Gen 8」、DELL「XPS 13」を展示。PC向け5Gカードとして広く採用されている。
vSIM内蔵で全世界対応の5Gモバイルルーター
「Acer Connect ENDURO M3 5G Mobile Wi-Fi」
AcerはIP54の防水防塵とMIL-STD-810H対応のタフボディー仕上げの5Gモバイルルーター「Acer Connect ENDURO M3 5G Mobile Wi-Fi」を展示した。5GはSub 6に対応し、アメリカ版とグローバル版の2つの製品が展開される予定。グローバル版の対応バンドには5G NRのn79やLTE Band 19が含まれており、日本での販売も期待できそうだ。
Wi-Fiで10台以上の機器を接続できるほか、USBテザリングにも対応。内蔵バッテリーは6500mAhで他の端末をUSBケーブルで充電することもできる。接続端子はUSB Type-C。
2.4型ディスプレーを搭載し、各種設定を行なったり通信状態の確認ができる。本体にはnano SIMカード1枚を装着可能なほか、内部にはvSIM(バーチャルSIM)を搭載、SIMO社が提供するグローバル対応ローミングサービスが利用可能で、物理SIMを入れずとも、本体だけで各国やエリア向けの通信プランを利用できる。2023年中に発売予定。
5Gに対応したMRグラスをCompalが展示
CompalはWi-Fi環境がない場所でも、5Gを使って単体で利用できるMRグラス「5G MR Glass Spider」を展示した。エンタメ向けのみならず、スマートファクトリーや教育などビジネス分野での利用も想定した製品だ。Qualcomm XR2プラットフォームを搭載しており、5GはSub 6とミリ波に対応。メガネの解像度は1280×720ドット。メガネ部分と通信モジュールなどを搭載するコアボックスを分離することで、メガネ部分の軽量化を実現、両者はUSB Type-Cケーブルで接続される。
コアボックスはnano SIMカードとeSIMを搭載、バッテリーは6000mAhを内蔵する。なお技適を取得しており、日本でも代理店経由で販売されている。
MediaTekが5G衛星通信「NTN」をデモ
MediaTekはNVIDIAと自動車分野での協業発表会を行なった会場で、最新の通信技術を展示した。注目は5G NTN(Non-Terrestrial Network、非地上系ネットワーク)のライブデモだ。5G NTNは3GPP Release-17で制定された標準規格で、メッセージなど低データ利用のためのIoT-NTNとビデオ通話など高データレートに対応するNR-NTNの両技術が利用できる。
会場のデモでは低軌道衛星通信のエミュレーターを通し、5G NTN接続のスマートフォンから5G地上波のスマートフォンへビデオ通話を行なった。わずかな遅延は見られたが、これは衛星通信の遅延というよりも地上を含めたネットワーク全体に起因するものとのこと。スマートフォンの画面サイズであれば十分実用的な画質と感じられた。今後は様々な環境での通信の安定化や、衛星通信キャリア、既存の携帯電話キャリアとのビジネスモデル構築などを進め、数年内の実用化を目指す。
Askeyは自動運転や企業向け5G機器を出展
B2Bや産業用途向けの展示も多いのがCOMPUTEXの特徴だ。日本のキャリアなどにルーターなどを展開しているAskeyは、工場や学校、オフィスビルなどが自前の5Gネットワークを構築するためのプライベート5G(日本ではローカル5G)向けの小型基地局を展示した。5G Sub 6(n48/n78/n79)に対応し、同社の5G CPEや5Gルーター、5G Small Cellを使い構内全域を5Gでカバーできる。プライベート5GはWi-Fiに比べ通信の信頼性やセキュリティーが高く、またデバイスのトラッキングできるという利点があり、海外では普及が少しずつ広がっている。
また自動車の自動運転に向けてV2X(Vehicle to Everything)に対応する車載用5Gオンボードユニット(5G OBU)の展示を行なった。C-V2X(4G/5Gのセルラー回線を使ったV2X通信)とeCell(携帯回線を使ったヨーロッパの車載緊急通報システム)に対応、5Gの対応周波数別に北米/ヨーロッパ/中国/日本の4つのモデルをリリースしている。また、C-V2X対応の基地局も展示した。
サーバーも5Gエッジ対応が増える
ギガバイトは5Gの要件を満たすエッジサーバーを出展。E236-Z30はAMD EPYC 9004を搭載し高い処理性能と低消費電力を両立させ、また各社のGPUボードを利用できるなど拡張性も高めた。製造現場やスマートシティーなど5Gエッジコンピューティングを必要とする様々なフィールドをカバーできる。
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