都市開発マニアが探索!「丸の内ダンジョン」 第3回

丸の内地下は梅雨なんて関係なし! 大手町~銀座のノー傘ルートはコレだ!

文●きりぼうくん

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 ブログ「超高層ビル・都市開発研究所」を運営し、9年間ほぼ毎日都市開発ネタを発信するマニア「きりぼうくん」。本連載では、丸の内に広がる地下空間の楽しみ方を、マニアならではの知見とともに解説してもらいます。

 前回は“丸の内の地下通路で迷わない方法”の基本として、地下の位置関係を把握することができる2つのメインルートを紹介してもらいました。今回は、覚えておくとさらに便利なルートを教えてもらいます。

どうも「きりぼうくん」です! 最近は丸の内地下を歩いてダイエットしています(笑)

東西を結ぶ2本のルートを覚えれば、雨に打たれず丸の内を縦横無尽!

 前回の記事では、各方面へのハブとなるメインルートAと、南北を一気通貫できる直線のメインルートBをお伝えしました。今回はそこに組み合わせることで、常盤橋(日本橋方面)や銀座など隣接地区まで縦横無尽に行き来することが可能になるお役立ちルートを紹介します!

 それはずばり、東西を結ぶ2つの大通り! 丸の内の北(全体図の下側)にある、常盤橋エリアとBを結ぶメインルートC。そして、丸の内の南(全体図の上側)に位置し、銀座方面とBを結ぶメインルートDです。

前回紹介した東京駅前に広がるメインルートAと直線大通り的なメインルートBに、今回お教えするCとDを加えた全体図がコチラ(※南北が逆になっています)。それぞれがつながっているので、組み合わせることで丸の内の地下を縦横無尽に移動できるんです!

 特に、Cの端からBを経由しDの端まで歩くと、全長は約2.3km。梅雨シーズンでも長時間濡れずに歩けるので、この時期のウォーキングコースにしてしまうのもアリかもしれません。

 ここからは前回同様、私が一般的なスタート地点から実際に歩き撮影した写真とともに、通路の特徴的な内装や空間、改札などのチェックポイントをお伝えします。ぜひ各場所の特徴を覚えてください!

メインルートC:TOKYO TORCH方面から大手町駅方面へ。東西を横断できる便利ルート!

 1本目は、「常盤橋タワー」や「鉃鋼ビルディング」(①)付近から、西へ一直線(図Cで右)。千代田線大手町駅のあるメインルートBに接続するルートです。通り沿いには、東西線大手町駅の改札がいくつかあるのが特徴。途中、メインルートA方面(④の上)と丸の内線大手町駅方面(⑦⑧⑨)への分岐があるのもポイントです。

 この道を覚えることで、常盤橋エリアと丸の内エリアを簡単に行き来できるようになり、さらにメインルートAとBを経由することで、丸の内中心エリア・有楽町エリアへ地上に出ずに移動できちゃいます!

【メインルートC】番号は、これから紹介する写真のスポットです

 では、実際に歩いてみましょう!

 スタート地点は、「常盤橋タワー」や「鉃鋼ビルディング」地下通路付近(①)から。2027年の「TOKYO TORCH」完成に向けてこれから利用者が増えそうなエリア。

 この辺りは永代通り直下の地下通路の東端にあたるのですが、将来的には呉服橋交差点直下、「TOKYO TORCH」東側、日本橋や茅場町方面にも接続され、東西全長約1.9kmにもなる計画なんです。それではここから西(図Cで右)に向かって出発!

①からメインルートC突きあたりの東方向(図Cで左)を見たところ。再開発に伴い、日本橋・茅場町方面への接続が計画されており、今後つながる予定の場所には黒いシャッターが。開発前夜な感じがそそられます♡

日本一の超高層ビルとなる予定の「トーチタワー」地下直結地点。白い囲いの向こう側ではまさにいま通路をつなげているところでしょうか(②)

 ③の地点で少し大きな分岐が。階段とエスカレーターがある南側(図Cで上)に曲がると「八重洲地下街」、東京駅八重洲口に出ることができます。

 曲がらずに真っ直ぐ進み、真ん中がくぼんだオブジェのような形の柱が見えたら、東京メトロ東西線大手町駅、東口改札です(④)。

③から「八重洲地下街」、東京駅八重洲口への通路を見た写真

東京メトロ東西線大手町駅の東口改札前には、特徴的な形の柱が(④)

 さらに進むと見えるのが「マーキュリー像」(⑤)と、丸ノ内線の下をくぐるために設けられた階段です。地下通路内で謎に高低差がある場所を見つけた時は、どんな背景があったのか考えるとワクワクしますね♪

 この降下通路を越え再び階段を上がった先には東西線大手町駅の中央口改札(⑥)があり、さらに、千代田線大手町駅方面と丸ノ内線大手町駅方面への分岐点があります。

「マーキュリー像」(⑤)と丸ノ内線を潜るための階段。戦後復興への想いが込められたこの像は、東京メトロの主要駅14箇所(池袋、銀座など)に設置されているのだとか

東京メトロ東西線大手町駅の中央口改札(⑥)。人の往来が多いのでやや広さのある空間が広がっています

⑥の改札を背にして北(図Cの下)を見た写真。照明が暖色になっているのが「OOTEMORI」に続く通路で、丸ノ内線大手町駅方面へつながっています

 ここで⑥から丸ノ内線大手町駅方面(図Cで下)へ行ってみましょう。「大手町タワー」の商業ゾーン「OOTEMORI」を貫く通路を進むと、高さ15mの巨大な吹き抜けが!(⑦)地下にも関わらず太陽の光が感じられる壮大な空間は、個人的にかなりお気に入りのスポットです♪

「OOTEMORI」の吹き抜け(⑦)。もはや地下とは感じられません!

 吹き抜け空間を過ぎると、今まで綺麗だった内装が一気に昭和風のタイル張りの空間に代わり、「大手町ビル」の地下に(⑧)。ここまで来れば丸ノ内線大手町駅の改札は目の前です。

階段を上がると…

昭和風のタイル張りの空間に出ます(⑧)

丸ノ内線大手町駅改札に到着!(⑨)

 では次に、⑥で分岐せず、西(図Cで右)へ進んだ場合を見ていきましょう。こちらは直進あるのみ。そして突き当たるのが、日比谷通り直下のメインルートBです!

⑩から西(図Cで右)を見たところ

ひたすら進むと、千代田線大手町駅、日比谷通り直下のメインルートBに出ます!

メインルートD:覚えれば、大手町から銀座まで地下だけで移動できる! 晴海通り地下の直線通路

 2本目は、メインルートBの大手町、丸の内方面から地上へ出ずに銀座まで到達できちゃうルートです!

 東京メトロ日比谷線日比谷駅(①)から東(図Dで左斜め上)に進み、丸ノ内線銀座駅へ至る直線です。メインルートBのスタート地点(東京メトロ千代田線大手町駅)からDを経由して30分超かかりますが、雨に濡れずにこのエリアまで移動できるので超便利。①と②の間にある脇道からは「ザ・ペニンシュラ東京」と日比谷エリアへ抜けることができ、②付近からは「有楽町電気ビルヂング」へ直結。丸ノ内線銀座駅(③)の手前からは「有楽町マリオン」へ行けたりと、商業施設へのアクセスが◎です。

【メインルートD】番号は、これから紹介する写真のスポットです

 こちらのルートは至ってシンプルで、ひたすら真っ直ぐ進むのみ! 比較的空いていて歩きやすいのも嬉しいポイントです。では、簡単に目印をご紹介します!

スタート地点の日比谷線日比谷駅西口改札前(①)。ここはまだ内装リニューアルがあまり進んでいないようで、レトロです

進行方向は、改札を背にして東(図Dで左)

①から50mほど歩くと左手に最初の脇道が出現。高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」直結の出入口です

ホテルへの通路を正面から見た写真。なんだか奥の方からオーラを感じて近寄りがたし…!(気のせい)

脇道を行かずにそのまま東(図Dで左)へ。すると今度は右手に通路が

南西(図Dの斜め右上)に伸びるこちらを進むと、日比谷エリアまで辿り着けちゃいます

お次の目印は、②の手前付近。左脇の階段を上れば、外への出口と「有楽町電気ビルヂング」へつながっています

日比谷線日比谷駅東口改札(②)。ここから先はまた少しテイストが違うレトロな内装に

②を抜けると案内板に「銀座」の文字が見えてきました。こちらの内装も完成当時の面影を感じさせてくれます

③の手前にある「有楽町マリオン」へ行ける脇道。この辺りは、かなり人通りが少ないです

メインルートDの端へ到着。最後に現れた階段を上がると…

一気に内装の趣が変わり、丸ノ内線銀座駅に辿り着きます(③)。ここから先は丸の内ではなく銀座エリアですが、日比谷線や銀座線の銀座駅方面へ地下でつながっています

 いかがでしょうか? 前回ご紹介したメインルートに加え、今回のメインルート2つを覚えることで、雨に濡れずに利用者の多い大手町〜銀座を歩くことができちゃいます(ただ、地下は少し蒸し暑いので薄着でもいいかも)。

 ぜひ参考にしていただけると嬉しいです!

 次回は、ビル内の細い地下通路を通って、隣接する建物やメインルートに接続できる禁断のショートカットコースをご紹介。使いこなせば、移動時間が格段に短縮できますよ。お楽しみに♪

文/きりぼうくん

超高層ビル、タワーマンション、駅ビル、地下街、再開発ネタを発信する「超高層ビル・都市開発研究所」の運営をしているブロガー。デベロッパー、ゼネコンのニュースリリース、さらには内閣府や都道府県など行政機関が出す情報を得て、現地を実際に巡るスタイルで取材。記事は9年間ほぼ毎日更新。Twitterでもアツく情報を投稿し、フォロワーは約3.6万人に及ぶ筋金入りの都市開発マニア。

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