白色LED2個と紫外線LED2個の照明で対象物を照射
ZOOMYは自ら発光しない一般的な対象物の表面を見るには、望遠鏡のような周囲の光を取り込めない構造なので、円筒内部に被写体を照らすために白色LED2個と紫外線LED2個の照明を備えている。一般的なモノを見るには白色LED、筆者には経験がないので判断不可だが植物の観察や、紫外線LEDライトに反応する特殊な素材の検査などにも活用できるらしい。
対物ガラス側のスコープには「レティクル」と呼ばれる十字線が、長さ21mmまで最小目盛の0.5mm単位で印刷されている。IC基盤上の距離を見たり、縮尺の判明している地図などを見る際に役立ちそうだ。実際に5mm方眼の用紙を見てみたが、当然目に見えるような大きな誤差はない。
ZOOMY内部のLEDライトのオン/オフは、ZOOMY側面のブランドロゴである「smolia」のすぐ下にある電源スイッチを押す。1回押しで白色LED、2回押しで紫外線LED、3回押しで消灯となる。実際にカプセル玩具の豆本の「地球の歩き方」を見てみたが10倍の拡大はなかなか素晴らしい。
続いて紫外線LEDを点灯させて、近く組み立てる予定のIC基盤を見てみた。確かに白色LEDで見る基板よりも緑色のリアリティはなくなり全体的に青く見えるが、回路のパターンは見やすいかもしれない。
印刷物のできを見るには最適な素材として、各国の紙幣がある。今回は日本の1000円紙幣ともうかなり長く続いている米国の1ドル紙幣の2点を、ZOOMYの白色LEDの明かりで見てみた。
1ドル紙幣は、その最大の特徴である白頭鷲とピラミッドの上にあるあたりを見回している目である「All-Seeing Eye」の2箇所を10倍拡大で見てみた。一方、日本の紙幣は野口英世の1000円札を拡大して見てみた。
10倍拡大して紙幣の隅々まで見ることでいずれも印刷技術としては見事なモノであることが感じられる。ほんの一部分だけだが超拡大して見た米国紙幣と日本紙幣の特徴は意外と筆者のような素人にも分かる感じだ。
国内版紙幣は米国版紙幣に比べて全体面積が大きく、曲線も少し多く同時に小さな文字も多い。一般に言われているように、偽札が作り辛いという意見も少し納得がいく感じだった。実際に趣味的に紙幣を眺めたりする以外なら、先日筆者も久しぶりに遭遇した異常に小さな文字のある取説内の図表などにも効果を発揮してくれそうだ。
ピッタリの使い道を発見できれば超便利なZOOMY
白色/紫外線LED切替式スケールルーペ「ZOOMY」は現在でも海外では入手可能のようだが、国内では既に生産・販売は終了している。なので購入対象品は市場在庫のみとなる。国内では販売元であったスリーアールでは、少し使用目的は違うが折りたためるLEDライト付き拡大鏡と言うのを販売しているようだった。
ZOOMYは樽型のLEDライト内蔵の超ユニークなルーペだが、発売時の高価格ではチャネルを活用したバーチカル市場以外では、苦戦が予想されただろう。しかし考えようによっては、バーチカル市場で売り切れなかった多少オタクな商品を、コンシューマ市場で超ディスカウントして販売するのは、レガシーな昭和からの日本のICT市場の特徴でもある。
ZOOMYは対物面を被写体に面で接するようにして10倍拡大サイズで見るという、限りなく限定されたバーチカル市場での専任業務に向いた仕様だ。しかしもし一般ユーザーでもそれに準ずるユニークな使い道が見つかるなら超お買い得だ。筆者はこれから、何か新しい使い道を考えてみようと思っている。

今回の衝動買い
・アイテム:スリーアール「白色/紫外線LED切替式スケールルーペ 3R-ZOOMY01」
・購入価格:ジャストマイショップ
・価格:1779円(定価7678円)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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