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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第193回

PlayStationブランド初の完全ワイヤレスイヤホンを勝手に予想する

2023年05月30日 13時40分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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海外ではリーク情報も

 また、少し前に「Insider Gaming」のオンラインマガジンで、PlayStation 5用のワイヤレスイヤホンが2023年4月から2024年までの間に出るという情報が書かれていた。出現時期は正しいので、もしかするとこの情報にもヒントがあるかもしれない。この記事によると、このイヤホンは"Project Nomad"と呼ばれ、USB Type-Cケーブルを介してPS5と接続できる充電ケースを備えているという。この接続でファームウェアのアップデートができるとあるが、上述の充電ケースとイヤホン本体を独自方式のワイヤレス接続する用途でも利用できるのではないだろうか。ちなみに、このサイトによると、"Voyager"というワイヤレスヘッドホンも開発中だという。

LE Audio採用の可能性も否定できない

 紹介動画では、次世代の低遅延/ロスレス伝送技術でPCやPS5とつなげることに加えて、Bluetoothでスマホともシームレスに接続できるという説明がある。もしBluetoothの規格を用いて、低遅延を実現するのであればLE Audioの採用も考えられる。

 LE Audioはオーディオ転送のコア仕様自体が変更されており、データの完全性よりも一定の時間間隔で送ることに焦点を置いたアイソクロナス転送が導入されている。ファイル転送とは異なり、オーディオ伝送では多少のデータが欠落したとしても遅延が起こらず、一定間隔で情報を送ることの方が重要だからだ。アイソクロナス転送では常に一定の時間間隔で伝送するのでバッファが少なくて済む。結果的に、Bluetooth Classicよりもオーディオの遅延が少なくなるはずだ。さらに、LE Audioの拡張機能であるLC3 Plusを使用すれば、最大96kHz/24bitのハイレゾデータを送ることもできる。ソニーはLE Audioの分野で中心的存在を占めているので、この方式をそのまま利用するだけでなく、なんらかの拡張をして利用することもあり得るかもしれない。ただ、この点については、オーディオ分野でも実現した機種がなく、実現性はわからない。

 いずれにしても、2.4GHz帯の独自無線通信の話もLE Audioの話も、今のところは筆者によるただの推測にすぎない。しかしながら、ソニーもまた「高級ゲーミングイヤホン」という市場の流れに乗っているように思えるのは興味深いことではないだろうか。

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