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転移温度評価理論で新たな高温超伝導物質を予言=兵庫県立大など

2023年04月28日 07時50分更新

文● MIT Technology Review Japan

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兵庫県立大学や東京大学などの共同研究チームは、高温超伝導体の転移温度の物質依存性について独自の計算プログラムを用いて高精度解析を実施。新たなパラジウム酸化物での超伝導の提案とその相図の予言をした。

兵庫県立大学や東京大学などの共同研究チームは、高温超伝導体の転移温度の物質依存性について独自の計算プログラムを用いて高精度解析を実施。新たなパラジウム酸化物での超伝導の提案とその相図の予言をした。 研究チームは今回、銅酸化物・ニッケル酸化物の超伝導相図を記述できる精密な転移温度評価理論を用いて、幅広いパラメータに対する包括的な計算を実行。超伝導転移温度を最適化するための方針を条件を導き出すことに成功した。さらに、この結果に基づき、高い転移温度を持つ超伝導体の候補物質としてパラジウム酸化物を提案し、その相図を示した。 超伝導は低温で電気抵抗がゼロになる現象で、さまざまな分野での応用が期待されているが、実社会への応用にあたって、より高い転移温度の物質が活発に探索されている。今回の成果は新たな高温超伝導物質群の提案をするもので、実社会への応用可能性を広げるとともに、超伝導の発現機構や転移温度向上に対する理解の進展に寄与することが期待される。 研究成果は、フィジカルレビュー・レターズ(Physical Review Letters)誌に2023年4月20日付けでオンライン掲載された

(中條)

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