このページの本文へ

フィッシングサイトや偽ECサイト、ブランドのなりすましを早期に検知、被害

アカマイ、独自ログ分析によるフィッシング対策「Akamai Brand Protector」

2023年04月27日 07時00分更新

文● 丸山篤 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 アカマイ・テクノロジーズは2023年4月25日、フィッシングサイト、フェイクストア、ブランドのなりすましサイトを検知して阻止する新たなソリューションとして「Akamai Brand Protector」を発表した。

 Akamai Brand Protectorは、Akamai CDN(Content Delivery Network)のログというアカマイ独自のデータを活用してフィッシングサイトを検出し、そのサイトを潰してくれる外部のテイクダウンサービスへの連携を半自動で行うソリューション。Akamai CDNを利用することが前提となっている。

「Akamai Brand Protector」のフィッシングサイト検知のしくみ

アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏、同社 マーケティング本部 プロダクト・マーケティング・マネージャーの中西一博氏

増え続けるフィッシングサイト、手法もより高度化

 フィッシングサイトは、本物(正規サイト)そっくりにコピーされた偽サイトだ。ここにユーザーを誘導してログイン情報を入力させ盗み出すことで、正規サイトへの不正ログインを行うことを目的としている。

フィッシング被害の実態と特徴

 アカマイ・テクノロジーズ マーケティング本部 プロダクト・マーケティング・マネージャーの中西一博氏は、たとえばフィッシング対策協議会への報告数は、2021年から2022年にかけて4倍に増えていると述べる。

 「近年は正規サイトの広告枠を不正に書き換え、検索エンジンの上位に表示されるようにする『SEOポイズニング』という手法も一般的になっている。そのため、検索エンジンから飛んだら正規サイトにつながるのかというと、必ずしもそうではなくなってきている。二要素認証を突破できるような高度なフィッシングキットが開発され、わずか20ドルほどで販売されている。こういったコストパフォーマンスと手軽さから、攻撃者の中でフィッシングの人気が高まっている」(中西氏)

Akamai CDNのログ分析でフィッシングを検知、テイクダウンサービスとの連携も

 フィッシングサイトでは、正規サイトのコンテンツ更新に追従できるように、正規サイトからコンテンツを読み込んで表示させることが多いという。Akamai Brand Protectorでは、この振る舞いを利用してフィッシングサイトを発見する。

 中西氏は、発見のしくみを次のように説明した。

 「フィッシングサイトは、オリジナルサイトのブランドロゴやコンテンツ、スクリプトを参照リンクから読み込んで表示したり、一部の機能がきちんと動くようにしたりしている。このとき正規サイトがAkamai CDNを使っていれば、CDNを経由してアクセスするかたちになり、CDNにアクセスログが保存される。そのログを解析することで、攻撃者がフィッシングサイトのテストを行う初期段階で判別できる」(中西氏)

 被害の拡大前(あるいは発生前)という初期段階でフィッシングサイトを発見できる点は、Akamai Brand Protectorの大きな特徴だという。なお判別を行う際には、フィッシング攻撃の情報を収集している外部のフィードやドメインなども照合するという。

「Akamai Brand Protector」の機能としくみ

 さらに発見したフィッシングサイトに対して、ヒューリスティックやAI技術を適用してリスクスコアを算出し、画面上でレポーティングを行う。このリスクスコアは1時間ごとに自動更新され、スコアに準じて対処の優先順位をつけることが可能になるという。

発見したフィッシングサイトごとにリスクスコアを算出

 さらにこの情報を、外部のテイクダウンサービス(Takedown-as-a-Servic)や「Google Blocklist Service」へ即座に申請できるよう連携しており、申請後のステータスも確認できる。申請のために必要なフィッシングサイトの証跡(スクリーンショット、whois情報、SSL証明書など)も自動で保存される。

Takedown-as-a-ServiceやGoogle Blocklist Serviceに申請連携

 今後は、管理用のAPIを通して、コールセンタースタッフがレポーティング情報を参照できるようにしていくという。

 「こういった一連の作業は、従来はマニュアル(手作業)でやっているところが多い。これがフィッシング対策の非常に厄介なところだった。こうしたかたちで一連の作業をセミオートにする部分が、Akamai Brand Protectorの特徴になっている」(中西氏)

 Akamai Brand Protectorはすでに販売を開始しており、1週間程度の作業で利用可能になるという。なお、利用料金はログデータの量に基づく従量課金制となっている。

 アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏は、 「アカマイだからこそできるフィッシング対策、偽サイト対策というところがあり、今年のわれわれの目玉商品の一つだと思っている」と、Akamai Brand Protectorに期待を寄せた。

※訂正:一部用語の誤記を修正しました。(2023年4月27日 10:00 編集部)

■関連サイト

カテゴリートップへ

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    “VMwareショック”余波、IaaSベンダー撤退も/本音は「拒否したい」時間外の業務連絡/IT部門のデータメンテ疲れの声、ほか

  2. 2位

    データセンター

    首都圏のデータセンター枯渇、電力コストの高騰、エンジニア不足 課題から考える最新データセンター選び

  3. 3位

    デジタル

    なぜ大企業でkintoneの導入が増えているのか? DX推進と「脱・属人化」を実現するエンプラパートナーに聞いた

  4. 4位

    TECH

    【提言】「VPNの安全性」が通用しない時代 ZTNAへの困難な移行を経営層はサポートせよ

  5. 5位

    TECH

    自律的に動けないメンバーを持つくらいなら、一人で全部やったほうが幸せに働ける「管理職の憂鬱」に関する調査

  6. 6位

    ビジネス

    トヨタ自動車はBacklogのAIアシスタントをこう使っている “現場の知見”を貯めるAI用データベースに

  7. 7位

    TECH

    IT人材の約半数が「静かな退職」 正当に評価されないし心身の健康を優先

  8. 8位

    デジタル

    地方テレビ局が生成AIで記事作成を爆速に でもその裏で“10倍増えた”業務とは?

  9. 9位

    ビジネス・開発

    “保守地獄”からSEを解放する 富士通がソフトウェア改修の全工程をマルチエージェントで自動化

  10. 10位

    ビジネス

    行政DXを超え、デジタルで市民の力を引き出す“地域社会DX”へ 兵庫県豊岡市の挑戦

集計期間:
2026年02月25日~2026年03月03日
  • 角川アスキー総合研究所