佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第187回
モニター付きケースの完全ワイヤレスが人気、アップルがやるとさらにスゴイ?
AirPodsのケースに画面がついたら、何をしたい? アップルが新特許
2023年04月27日 13時00分更新
完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースに液晶ディスプレーが付いた「JBL Tour Pro 2」が発売されて話題となった。タッチ操作が可能になっており、スマホを介さすに、手元で再生や曲送り、イコライザー設定までできるという優れものだ。専用アプリをいちいち立ち上げるわずらわしさがない。
面白いことに、アップルもこれに近い機能を検討しているようだ。最近公開されたUS特許「202300952A1」の“DEVICES,METHODS, AND GRAPHICAL USER INTERFACES FOR INTERACTIONS WITH A HEADHONE CASE”は、ヘッドホンケースをUIとして使う方法ということになる。
画面が付いて震える充電ケース
内容は図を見るのが早い。AirPodsと思われるイヤホンと充電ケースが示されており、充電ケースにはタッチ操作可能なディスプレーとセンサー、そしてハプティックエンジンが搭載されることを想定。このタッチ画面を使用して音楽再生をしたり、一時停止の操作ができることが示されている。音量操作も簡単にできる。
この特許でユニークなのは、音楽アプリのみならず、映画鑑賞や天気アプリ、オーディオブックの操作まで言及されていることだ。幅広い制御が充電ケースから可能となるわけだが、ここはOSレベルで機能を提供できるアップルならではと言えるかもしれない。
もう一つ注目したいのは、このケースを操作する方法の中に画面をタッチするだけではなく、ケースを手に持って握りしめる方法が示されていることだ。構成図を見ると接触強度センサー(Contact Intensity Sensor)が搭載されている。動作の検知に使用されていると考えられる。
また、ハプティックエンジンが搭載されているので本体を震わせることもできる。映画の爆発シーンやアクションシーンなどで触覚フィードバックをすることで臨場感を上げるためではないかと推測できる。

この連載の記事
-
第300回
AV
インド発の密閉型/静電式ヘッドホン? オーディオ勢力図の変化を感じた「INOX」 -
第299回
AV
夏のヘッドフォン祭 mini 2024レポート、突然のfinal新ヘッドホンに会場がわく! -
第298回
AV
ポタフェス2024冬の注目製品をチェック、佐々木喜洋 -
第297回
AV
なんか懐かしい気分、あなたのApple WatchをiPodにする「tinyPod」が登場 -
第296回
AV
逆相の音波で音漏れを防げる? 耳を塞がないヘッドホン「nwm ONE」──NTTソノリティ -
第295回
AV
NUARLのMEMS搭載完全ワイヤレス「Inovatör」(旧X878)の秘密とは? -
第294回
AV
AirPodsで使用者の動きからBPMを認識、それを何かに応用できる特許 -
第293回
AV
次世代AirPodsにはカメラが付くらしい、じゃあ何に使う?(ヒント:Vision Pro) -
第292回
AV
OTOTEN発、LinkPlayの多機能ネット再生機「WiiM」とSHANLINGの「EC Smart」を聴く -
第291回
AV
ビクターの新機軸、シルク配合振動板の魅力とは? HA-FX550Tを聴く -
第290回
AV
HDTracksがMQA技術を使ったストリーミング配信開始へ - この連載の一覧へ