緑が目に鮮やかでそよ風が心地よい今は、散策にぴったりの季節でもあります。今回ご紹介するコースは城跡、城、そして庭園を巡る旅です。どこも保存状態がいいスポットで、当時の時代背景を調べて行くとさらに楽しめます。時期によってはイベント開催や自然を楽しめるので、ぜひ訪れる際の参考にしてください。最新のイベント情報は各HPで事前の確認をおすすめします。
さいたま市にある岩槻駅からスタート、大宮駅で乗り換え、北陸新幹線で長野県の上田駅に向かいます。在来線と北陸新幹線を経由してそのまま西へ、富山県の高岡駅、金沢県の金沢駅へ向かうコースです。途中、乗り換える大宮駅、新高岡駅、そして下車する上田駅、高岡駅、金沢駅は、観光スポットが集まるエリアなので、それぞれのエリアでご当地グルメや観光を楽しむことができます。
自然に囲まれた城跡の公園で史跡巡り&広場での遊びを満喫! さいたま市「岩槻城址公園」
岩槻城址公園は、室町時代末期・戦国時代初頭に築城されたといわれている岩槻城跡地にできた公園で、岩槻城の土塁が現存しています。園内の菖蒲池には朱塗りの八ツ橋(写真)がかけられており、多目的広場や遊具、テニスコートや野球場なども完備され、四季を通じて数々の賑やかな催し物を開催。春には「桜まつり」(桜の開花時期)、「岩槻流しびな」(2月末)、秋には「人形供養祭」(11月3日・祝)が行なわれます。
【さいたま市の城はコレ!】
岩槻城址公園
岩槻城は戦国時代には何回も大改修が行われ、戦国時代の末期には大幅に拡張。岩槻城址公園はそのうちの新曲輪部分にあたっており、その大部分が埼玉県史跡に指定されています。曲輪の外周に構築された土塁、発掘調査で堀障子が発見された空堀、外部との出入り口に配置された2つの馬出しなど、戦国時代末期の遺構が良好な状態で保存されているのが特徴です。木造部分が黒く塗られていることから「黒門」(写真)と呼ばれる門も、本来の場所は不明ですが公園内で見ることができます。
DATA
住所:埼玉県さいたま市岩槻区太田3-1-1
WEB:岩槻城址公園
真田昌幸によって築城! 日本100名城・日本夜景遺産に認定されている上田市「上田城」
上田城(写真)は1583(天正11)年に真田昌幸(真田幸村の父)によって築城され、現在残っている城は仙石忠政によって江戸時代初期の寛永年間に再建築城されたものです。第一次・第二次上田合戦で徳川軍を二度にわたり撃退した難攻不落の城として知られています。周辺には眞田神社、上田市立博物館などの観光スポットがあり、信州上田観光の中心として全国から多くの人が訪れます。「上田城千本桜まつり」(4月上旬)、「上田真田まつり」(11月上旬)、「上田城紅葉まつり」(11月上旬)などの、歴史と自然の景観を楽しめるイベントも開催されます。
【上田市の城はコレ!】
上田城
上田城には江戸時代から現存している唯一の建物「西櫓(にしやぐら)」や、真田信之(信幸)が松代城移封にあたり父・真田昌幸の形見として移動させようとしたところ微動だにしなかったという言い伝えが残る「真田石」、かつての城を感じさせる東虎口(ひがしこぐち)櫓門(写真)などの見どころがたくさんあります。戦国時代は千曲川だった尼ヶ淵側から見上げる櫓と石垣も、撮影スポットとして人気です。観覧料は、上田城南櫓・北櫓・櫓門が一般300円、高校生上200円、小中学生100円。
DATA
住所:長野県上田市二の丸
WEB:上田城
前田利長公が築いた高岡城跡! 築城当時の姿を今に残す史跡公園・高岡市「高岡古城公園」
高岡市街地のほぼ中心に位置する高岡古城公園(写真)は、1609(慶長14)年に加賀前田家二代目当主・前田利長が築いた高岡城の城跡を明治以来公園として開放されています。公園内には、工芸都市高岡ならではの芸術の森や博物館、動物園(入館、入園料無料)などがあり、豊かな自然とともに、憩いの場として多くの人が訪れます。桜や紅葉の名所としても知られ、「高岡万葉まつり」(10月上旬)は特に多くの人が集まります。
【高岡市の城はコレ!】
高岡古城公園
高岡城は築城以来、二の丸、三の丸などの連続する馬出や水堀が当時のまま残っています。2006(平成18)年には富山県で唯一「日本100名城」に選定され、さらに2015(平成27)年には国史跡に指定されています。高岡古城公園は3つの水堀に囲まれており、その面積は全体の3分の1を占めます。市街地にあるにもかかわらず、桜(写真)、カエデなど多くの樹木が繁っています。朝陽橋や朝陽の滝付近からのぞむ池の端堀と本丸の城郭の景観や水堀に映る景色、桜馬場通りからの枡形堀の景観、本丸より望む二上山の眺望が見どころです。
DATA
住所:富山県高岡市古城1-1-9
WEB:高岡古城公園
武士であり画人でもあった寺島蔵人の屋敷で庭と書画を堪能! 金沢市「武家屋敷 寺島蔵人邸」
寺島蔵人邸のある大手町は金沢城大手門跡から東北東に約230mに位置し、江戸時代は寺島邸と同規模の武家屋敷が並ぶ中級武士の居住地でした。寺島蔵人邸は敷地内に遺る家屋、土蔵、土塀および庭園が江戸時代の中級武士の屋敷の様子を伝えるものとして、1974(昭和49)年、金沢市指定文化財史跡に認定。庭園(写真)、画人としても活躍した寺島蔵人の書画をはじめ、寺島家伝来の書画工芸を見ることができます。入館料は一般310円、高校生以下は無料です。
【金沢市の庭園はコレ!】
寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)
寺島蔵人邸家屋の北側と東側には池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の庭園「乾泉(かんせん)」が広がり、春はドウダンツツジの開花(写真)、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の姿をあらわします。特に樹齢300年以上のドウダンツツジが春に開花、秋に紅葉する様は圧巻です。池は水のない枯池で、庭園の名称「乾泉」の由来となっていて、庭内に配置された飛石や石橋などは地元の戸室石や滝坂石を用いています。邸内の茶室では、武家屋敷の風情を感じながら抹茶(350円)を楽しむことができます。
DATA
住所:石川県金沢市大手町10-3
WEB:寺島蔵人邸
歴史ある城&庭園で風情を感じながら四季折々の自然を楽しみましょう!
城跡や、城と庭園は大自然が多く残るスポットです。四季折々の楽しみ方があるので、ぜひ時期に合わせて出かけてみましょう。その時代に思いをはせながら散策、なんともぜいたくな旅ですね。
※記事内の価格はすべて税込です。販売価格は予告なく変更される場合があります。
※この記事は、「つなぐ旅~東日本~ ひがしにほんトラベルガイド」から転載しています。
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