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暗号資産の価格バーストを予測する新手法を開発=京大など

2023年04月04日 15時03分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学などの共同研究チームは、暗号資産の取引ネットワークに対応する相関テンソルのスペクトルを解析する新規手法を開発。この手法により、暗号資産の価格の急上昇(価格バースト)の早期指標を提供できる可能性があることがわかった。

京都大学などの共同研究チームは、暗号資産の取引ネットワークに対応する相関テンソルのスペクトルを解析する新規手法を開発。この手法により、暗号資産の価格の急上昇(価格バースト)の早期指標を提供できる可能性があることがわかった。 研究チームは今回、時価総額の大きい暗号資産として「リップル(XRP)」に着目した。個々の取引者のもつウォレット間の週次で全ての取引データを集約することで、有向重み付き取引ネットワークを構築。同ネットワークから相関テンソルと、その特異値スペクトルを求める新規手法を開発した。さらに、同手法を用いて、特異値の時間推移について特徴的な挙動を調べたところ、最大特異値がXRP価格と有意な負の相関を示すことを発見した。 暗号資産はデジタル経済の時代に欠かせない存在となりつつあるが、価値が乱高下を繰り返しているため、一般には使いづらいと考えられている。研究チームは、今回の論文で解析した期間以外でも新手法が有効であることの確認を進め、実用化に向けて取り組んでいくという。 研究論文は、サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)に2023年3月22日付けでオンライン掲載された

(中條)

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