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NTTデータが「AIガバナンス室」新設、リスクマネジメントを強化

2023年03月29日 07時27分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NTTデータは、人工知能(AI)の適正活用を推進するための組織として、AIガバナンス室を2023年4月1日に設置する。同社が顧客へ提供するAIシステムおよび社内システムを対象に、AIの不適切な利用によって生じる社会的批判や、法規制の制裁金といった事業リスクを抑止するのが狙いだ。

NTTデータは、人工知能(AI)の適正活用を推進するための組織として、AIガバナンス室を2023年4月1日に設置する。同社が顧客へ提供するAIシステムおよび社内システムを対象に、AIの不適切な利用によって生じる社会的批判や、法規制の制裁金といった事業リスクを抑止するのが狙いだ。 具体的な活動としては、国内外の重大トラブル事例や法規制を踏まえたリスクベースアプローチの考え方に基づき、NTTデータのAI活用プロジェクトにおける事業リスクを検知するルール・体制を整備。プロジェクトと一体となって対処を実施する。同社はこれまでに「NTTデータグループAI指針」の策定(2019年)や、AIアドバイザリーボードの創設(2021年)などの取り組みをしており、外部有識者の知見を取り入れ、AI活用に関わるリスクマネジメントのあるべき姿について構想を具体化してきた経緯がある。 AIは近年、社会実装の範囲が拡大し続ける一方で、倫理・社会受容性の問題に起因して大きな金銭的インパクトを生じる問題が国内外で発生。権利侵害を伴うAIの利用に対しては、制裁金を科す規制案の検討が進んでいる地域もあり、企業のビジネスに大きく影響を及ぼすようになっている。国内企業ではほかに、富士通が「AI倫理ガバナンス室」を2022年2月1日付けで設置。AIをはじめとする最先端テクノロジーの社会浸透・信頼確保の実現を加速するとしている。

(中條)

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