ウェブブラウザー「Firefox」を開発するMozillaは3月22日（現地時間）、「信頼できるAI（trustworthy AI）」を構築するためのスタートアップ「Mozilla.ai」を設立、3000万ドルを出資した。
発表の中でMozillaのエグゼクティブディレクターを務めるマーク・サーマン氏は「これからやってくるAIの波は人々の生活を豊かにする多大な可能性を秘めているが、人間の主体性とユーザーの利益を中核に置き、透明性と説明責任を優先させる必要がある」と主張。
さらに「最も大きな力と影響力を持つ大手ハイテク企業やクラウド企業はそれを行なっておらず市場に対する支配力を強化し続けている」と、AIの独占を狙うビッグテック達を批判している。
Mozilla.aiが掲げるビジョンは「信頼できるAI製品を簡単に開発できるようにすること」であり、大きな技術やアカデミアの外にある、志を同じくする創業者、開発者、科学者、プロダクトマネージャー、ビルダーが集うスペースを目指す。
このことにより「独立した分散型の信頼できるAIエコシステム、つまり現状に対抗する真のカウンターウェイトを生み出す流れを変えることができると信じている」としている。
Mozilla.aiの具体的な活動として、「生成AIをより安全で透明性の高いものにするためのツール」と「誤情報のない人間中心のレコメンドシスステム」が予告されている。詳細は今後、数ヵ月のうちに発表されるという。
