このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

腕時計ライター推薦「いま欲しい」機械式腕時計3選

40〜60万円で狙う「機能性重視」のスタイリッシュ・メカニカル

2023年03月11日 12時00分更新

文● 川口哲郎 編集●飯島恵里子/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ジン/356.EURO FLIEGER.Ⅲ(Ref. 356.EURO FLIEGER.Ⅲ)44万円

航空時計の名門による、スマートなレフティデザイン
ジン/356.EURO FLIEGER.Ⅲ

 1961年にドイツ・フランクフルトで創業したジンの正式名称は「ジン特殊時計会社」。立ち上げたのはドイツ空軍のパイロットとして活躍したヘルムート・ジンで、つまり彼による、特殊な使途に特化した時計の企業という意味だ。

 ただこの「特殊」がいよいよ具体性を増したのは、1994年に工学士のローター・シュミットが経営を引き継いだ後のことで、当初はヘルムート・ジンが実地体験で学んだ様々な知見を盛り込んだ、つまり凡百のブランドには決して真似のできない航空計器や航空時計がメインだった。そこから現在まで一貫して続く根幹、アイデンティティといえば創業者が蒼穹を駆け巡りながら思い描いた「究極の航空時計」なのだ。その系譜を継ぐ新作がこのほど、日本限定で発売された。

インデックスと指針には暗い場所で発光するイエローのスーパールミノバを塗布。3時位置のスモールセコンドはブラックライトに反応して光る

 「356.EURO FLIEGER.Ⅲ」は2000年に発表された「356.EURO FLIEGER」、2007年の同「Ⅱ」に続く第3作で、NATO軍が配備するユーロコプターの機体に搭載されたジン社製オンボードクロックの意匠を取り入れたもの。真っ先に目をひく特徴は視認性を高めるビビッドなイエローカラーで、このモデルでは指針やインデックス、そして本作で新規に設けられた3時位置のスモールセコンドにも大胆にフィーチャーされている。このスモールセコンドはユーロコプターの実機と同じく、コクピット内のブラックライトをあてると発光する仕組み。平常時においても鮮やかな色調の素地が表示を目立たせ、的確な「秒」の視認を促す。

 このモデルのさらなる特徴は初代から受け継がれる、リューズとプッシュボタンを通常とは反対に配した特殊設計だ。一般的な時計では左利きのために講じたレフティ(左利き)仕様とされることもあるが、このモデルでは利き腕を限定するのではなく、あくまで操作性の向上や誤作動を防ぐために採用されているという。

気密性が高く堅牢性も担保するねじ込み式のケースバックに、限定シリアルナンバーを刻印

 ともあれ、このいかにもマニアックなレイアウトが、くだんの配色と相まって(デイリーユースの視座では)スタイリッシュというほかない。航空時計の本家によるこの腕に載せる計器は、信頼性の高い自動巻きCal.SW500を搭載し、防水機能は10気圧(水深100m相当)を誇る。空を飛ばずとも日常を勇猛に前進するオーナーの、心強いイクイップメントとなりそうだ。

ジン/356.EURO FLIEGER.Ⅲ
Ref. 356.EURO FLIEGER.Ⅲ
44万円

●主な仕様
駆動方式:自動巻き(連続駆動時間約46時間)
ケース径:38.5mm
ケース厚:15.5mm
ケース素材:スレンレススチール
ストラップ素材:カウレザー
風防素材:強化アクリル
防水性能:10気圧防水
日本限定100本

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ