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有用金属を短工程で製造可能に、京大が新手法

2023年02月03日 06時12分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学の研究チームは、アルキン(炭素―炭素三重結合を持つ有機化合物)の三重結合に金属を結合させる新手法を開発。これまで入手困難であった有用な有機金属化合物を簡便に調製することに成功した。

京都大学の研究チームは、アルキン(炭素―炭素三重結合を持つ有機化合物)の三重結合に金属を結合させる新手法を開発。これまで入手困難であった有用な有機金属化合物を簡便に調製することに成功した。 炭素原子と金属原子の間に結合を持つ有機金属化合物は、医農薬や機能性有機材料を製造する上で極めて重要な中間体となる。研究者はこれまでに、有機ハロゲン化物を基にしてさまざまな有機金属化合物を作ってきたが、従来の手法では作れないものも多かった。 研究チームは今回、アルキンの三重結合に電子を注入しながら、マグネシウムやアルミニウムの金属ハロゲン化物を反応させて、二重金属化アルケン(炭素―炭素二重結合を持つ有機化合物)を簡単に作り出す方法を発見。さらに、この新規の有機金属化合物が斬新かつ有用な化学反応を起こすことも明らかにし、中間体としての有用性を明確にした。 今回の研究成果により、単純分子から有用物質を短工程で製造可能になるとともに、持続可能な物質生産プロセス構築への波及効果が期待できるという。研究論文は、ネイチャー・シンセシス(Nature Synthesis)」に2023年1月2日付けでオンライン掲載された

(中條)

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