「990S」にカーナビ&ドラレコのパイオニア「NP-1」を装着した記事を公開したところ(音声専用カーナビ「NP1」をロードスター 990Sで1ヵ月以上使ってみえたメリット・デメリット)、パイオニアから連絡がありました。なんと、「NP-1」のパイオニアの担当者もロードスターのオーナーだとか。そこで実際に会って、筆者のクルマの装着具合などをチェックしてもらいました。
開発中からロードスターはぴったりだと思っていた
今どきのクルマには、カーナビとドライブレコーダーは必須装備のひとつ。そこで愛車である「ロードスター 990S」には、音声でカーナビを行なう、ドライブレコーダー機能付きのパイオニア「NP-1」を装着しました。それを記事化したところ、なんとNP-1担当者から連絡が届いたのです。いろいろと話を聞いてみると、「NP-1」のパイオニアの担当者もロードスターのオーナーだとか。ならば、実際に会って、筆者の装着の具合やアドバイスなどを聞いてみようというのが今回の内容になります。
実際に会ったのは、パイオニア NP事業本部 CMO 最高マーケティング責任者 井上慎也さん。「NP-1」の販売や広告関連の担当者です。もちろん取材には、井上さんの愛車「ロードスター」も一緒。2016年式のRSグレードです。なんとHKSハイパーMAXの車高調を履いたサーキット仕様。休日などはショートサーキットなどで走り込んでいるようです。また、若い頃からロードスターに乗っていて、NA型を3台も乗り継いでいたとか。びっくりしたのは、20年ほども前に筆者も記者として参加していた「ロード&スター」誌の愛読者だったことも判明しました。
「NP-1の開発をしているときから、ロードスターにはぴったりだと思っていました。ナビ画面を見ないで走れますから、運転に集中できます。990Sが発表されたときも、“まさにコレだ!”と思いました」と井上さん。2022年2月に発売開始となった「NP-1」の販売状況は上々とか。
「購入者へのアンケートを見ると、今はイノベーター、先進的なクルマ好きの人に受けているようです。ロードスターのオーナーもいらっしゃいますが、輸入車の方も多いみたいですね。輸入車のオーナーはカーナビへの不満を持っている方も多いようです。それと、ドラレコの使いやすさも人気の理由です。NP-1は、クラウド方式なので、万一のトラブルの時も、その場でサッとスマートフォンのアプリで確認ができますから」と井上さん。
装着するのは右でも左でもOK
そんな井上さんに、我が愛車990Sの取り付けを見てもらったところ、「まったく問題ありません」との合格をいただくことができました。NP-1の装着は、本来、ドライバー側の装着を推奨しているものの、左ハンドル対応なども想定しているため、我が愛車のような左側装着も悪いわけでないというのです。ただし、左側に装着する場合、より中央寄りにカメラ位置がくるように、本体を上下逆さまにすることもありとか。実際のところは、映り具合を見て、好きに選んでいいともおっしゃっていました。
ちなみに、井上さんのNP-1の装着は運転席の前。ただし、NP-1の取り付けの土台を逆にして、よりルーフに近いように取り付けていました。取材後にクルマを乗り換えて、井上さんのクルマを試乗させていただきましたが、ほとんど気になることはありません。これも好みの範疇なのでしょうね。
また、左側装着でも、より使いやすくなる設定も用意されているとのアドバイスも。気づかなかったのですが、左側に装着しても、声を聴きやすくするモードがあったのです。方法はスマートフォンのアプリから「NP1を設定」を選んで、「音声認識」に入ると発話する人の数や場所を設定することができます。これを行なうことで、より認識率が上がるというわけです。
さらに、気になっていた路面の凹凸を超えるときのショックの感度の調整も可能です。それはアプリの「NP1を設定」から「クラウドドライブレコーダー」を選び、「イベント録画する衝撃の感度」を、より低く調整すればいいというのです。そして、ナビのルート案内を自動設定から、距離を優先、料金を優先など、最初から設定することもできると教えていただきました。これはアプリの「行き先」から「ナビ設定」→「ルート」と入り、「自動設定」「おすすめ」「距離を優先」「広い道を優先」「時間を優先」「料金を優先」と選べるようになっています。
ちなみにNP-1は9月29日の大型アップデートで、「コエ替え」という新機能を追加しています。これは、NP-1の音声案内の声を変更できるという機能です。女性の声、男性の声に加えて声優の悠木 碧さんの声も選べるようになっています。
今後は、顔認識機能を追加してドライバーモニター的な使い方も検討しているそうです。買って終わりではなく、サービス品質の向上や新サービスの追加などがあり、常にフレッシュな状態で使い続けることができるのがNP-1の魅力のひとつ。今後も楽しみです。
本体の上下の取り付け変更は、わずか10分ほど
取材の後、せっかくなのでNP-1の本体を上下逆さまに取り付けてみました。
取り付け、取り外しは、六角レンチ1本で、ネジが4本だけ。本体の上にあるネジを外せば、簡単に土台から外れます。そのまま、ひっくり返してネジを4本止めれば終了。とても簡単です。ただし、そのままだと画像がひっくり返ってしまうので、スマートフォンのアプリを立ち上げて、NP-1と接続。アプリの「NP1の設定」から「本体取り付け」を選んで、その手順通りに進めていきます。途中にある画像の確認のモードで、「映像に問題がある場合」の中にある「映像を反転する」を選択。画像が正方向になったら、そのまま確認をすすめて、終了させれば完了となります。
実際の撮影の画像がどうかといえば、前方方向は、若干中央寄りになりますが、フロントガラス中央にあるカメラ部の出っ張りが黒く映り込んでしまいます。左右の画角は、上下、どちらでもかわりません。正直、前方方向のカメラでいえばひっくり返す必要性はほとんど感じません。
ただし、室内側の「インカメラ」の映り方は、もう少し変化があります。ドライバーの顔がより鮮明に映っているのです。また、以前はドライバー側の横の外が、ほとんど見えなかったのが、ひっくり返したことで、若干見えるようになりました。万一の事故の際に、周囲の様子を確認するには、ひっくり返した方が良いようです。万一の事故の対策という意味では、左側に設置するときは、本体をひっくり返した方が良いのではないでしょうか。
筆者紹介:鈴木ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。
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