【腕時計ライターが推薦「いま欲しい」機械式腕時計3選】「40〜60万円」で狙う一流時計ブランドの実力派メカニカル
2022年12月24日 12時00分更新
復刻トレンドの先端を行く端麗な仕上がり
ロンジン/レコード ヘリテージ
2022年も様々なブランドから過去の名作を現代に蘇らせた、いわゆる復刻モデルが数多く発表され、時計シーンを華やかに彩った。復刻モデルの魅力はもちろん対象となる機種に多様な価値や長所があるからに違いないが、それとは別途、そのブランドの実力の証左となり得ることだ。当然のことだが一定以上の期間存続した実績、歴史のない新興ブランドにはそもそも復刻の対象が存在しないので、復刻モデルを作りようがない。
さらに復刻モデルはそうしたブランドの過去の名作が、現代の最新スペックで手に入る。これらを踏まえると復刻モデルというだけでどれもが素晴らしく思えてくるが、ロンジンが過去の自社の名作に焦点をあて、復刻するコレクション「レコード ヘリテージ」に加わった最新作はそんな復刻モデルの魅力を凝縮、高度に体現したものといえる。
このモデルは、同社の歴史において重要な意味をもつCal.13ZNを搭載した傑作に着想を得て開発された、レトロな2レジスター式のクロノグラフだ。Cal.13ZNはロンジンが1930年代に実用化した、積算時間の計測をよどみなく連続で行えるフライバック機能付きのクロノグラフムーブメントで、同社の実力を世に知らしめるアイコンのひとつとなった。これを搭載した往時のモデルの特徴、転写式のゴールドインデックスやリーフ型の指針、独特の形状のプッシュボタンなどを踏襲し、さらに、クロノグラフ機構と併用して乗り物の速度などを計測できるタキメータースケールも同コレクションで初めて採用している。
このようなクラシカルなディテールを精細に盛り込みながら、内部のムーブメントは極めて現代的だ。Cal.L895.4は、当時のフライバック機能は非搭載だが、精度の要となる調速機構のテンプに耐磁性の高いシリコン製ひげゼンマイを用いた最新仕様。精度規格の世界的な権威であるスイス公認クロノメーター検定協会(COSC)の厳格な基準に準拠しており、安定した高精度が望めるのだ。5年間の長期保証も、一流ブランドによる最新モデルならではのアドバンテージといえよう。
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