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実現の課題は組織と人材 DXを進めるべく、今なにをすべきか?

LINE AI、ヤンマー、東芝が考えるDXの形 updataDX22の基調講演レポート

2022年12月02日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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スケールフリーネットワークでCO2の情報をエンドツーエンドで収集

 では、プラットフォームを構築するにはなにが必要か? マサチューセッツ工科大学のローレンツ教授は、1年後の天気を予想するためにローレンツアトラクタという3つの方程式を使ったが、答えは出なかった。導かれたのは世の中は予測が不可能という結論だ。人類は分類して理解しようとしたが、実際の世界は複数のリンクがバラバラにつながっており、しかも極端な偏りがある。「多くのリンクを持っているほんの少しの人と、ほとんど毎日同じ人としか話さない大多数でできている。これは脳の構造上しようがない」と島田氏は指摘する。

 現実世界にも存在するこの「べき分布」のネットワークを、「スケールフリーネットワーク」と呼ぶ。このスケールフリーネットワークでは、一定のレベルまで情報が収斂すると爆発するという現象が起こる。これを利用したのがFacebookやInstagram、ClubhouseなどのSNSだ。なんのコンテンツもなかったソフトウェアに、ユーザーがコンテンツを挙げ、勝手に拡がってくれる。コトが起こる場こそが重要だという。

世の中は予測不可能

スケールフリーネットワークの例

 これを応用したのが東芝テックのスマートレシートだ。これは店舗で買いモノをしたときに、レシートがデータとして飛んでくるという仕組み。スケールフリーネットワークの考え方からすると、ユーザーはいろいろな店舗に行ってレシートを集めてくれる存在に見える。たとえばコンビニ同士、スーパー同士など大きな会社同士がシステムを統合するのは不可能だが、個人がレシートを勝手に集めて登録してくれれば、システムを統合せずともデータを集めることは可能だ。実際、スマートレシートの加盟店は増え続けているという。

エンドツーエンドでCO2の情報を集める 再エネやGXも進める

 ここまでの話とCO2がどのように関係しているのだろうか? 島田氏は「個人個人が自分たちがどれだけCO2を排出しているかを知らなければ、われわれは滅びてしまうんです。なぜなら知らないから。知らないことは解決できない。だから、私たちはさまざまな情報をアグリゲート(集約)しなければならない。ですから、私たちは商品ごとのCO2の量をスマートレシートに表示させようとしています」と語る。

 今後、CO2排出量の少ない商品を選ぶように、個人の購買行動が変われば、会社もCO2の削減効果をビジネスに組み込むことができる。「CSRやSDGsの観点でCO2を減らすような努力では、絶対に減らない。そこで、われわれはエンドツーエンドでCO2のすべての情報を集めて、それをどのように削減するかというソリューションを会社として進めています」と語る。

 たとえば、工場においてはどこでCO2を出しているかを計測できるIoTの仕組みを提供している。加えて、ユーザーを超えてCO2の情報を共有できるプラットフォームと連携することだ。「自分のシステムに囲い込んでは絶対にダメ。標準化して、誰でも使えるようなシステムにしなければ、最後の目的に到達することはできない」と島田氏の話は熱を帯びる。

 再エネに関しても、実はあまっているという課題がある。「作った人と使いたい人でミスマッチが起こっている。再エネが電力抑制が行なわれる。こんな馬鹿げた話があるでしょうか」と島田氏。そのために東芝は両者をマッチングさせるプラットフォームを提供している。

 いわゆるGXのため、東芝は先日アクセンチュアと提携したGXコンサルティングを開始した。また、「ペロプスカイト」と呼ばれる軽くて曲がる太陽光パネルはビルの壁に貼ることができるので、都市自体がエネルギーを生み出すことができるという。

 その他、カーボンキャプチャーやP2G(Power to Gas)、P2C(Power 2 Chemical)などの製品・サービス開発も進めており、エコシステムとしてエネルギーが循環する社会を実現していくという。さらに、無償のカーボンニュートラルアセスメントも提供しているため、企業としてなにをすべきかを把握することも可能。「データもとっているので、業界内で自分たちが進んでいるか、遅れているかもわかります」とのことだ。

再エネ施策やグリーンエネルギーも提案できる

GXに向けた商材も提供できる

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