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フィリップ モリス ジャパン主催のセミナーに参加してきた

紙巻きたばこからIQOSに変えるとリスクは本当に下がるの?

2022年11月18日 11時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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紙巻きから加熱式への移行で、がんのリスクも低減できる?

 そして、喫煙者がもっとも気になるといっても過言ではないのが、がんのリスクではないでしょうか。第2回では、「がん予防におけるたばこハームリダクション」をテーマに、セミナーが実施されました。

 セミナーでは、がん治療の新しいアプローチを研究する国際的な委員会、専門誌の編集委員会の議場やメンバーを務めるほか、現在は8つの製薬会社の諮問委員会のメンバーでもあるピーター・ハーパー博士が登壇しました。新薬の研究やがん治療の開発における業績で世界的に認められているという博士です。

ピーター・ハーパー博士

がんについても説明がありました

 ピーター博士はまず、人口10万人に対する死因別にみた死亡率を紹介。その中で、悪性新生物(腫瘍)はどんどん上がっていることを指摘しました。また、日本人の死亡者数とその割合をみても、26.5%と約4分の1を占めることも挙げました。

悪性新生物(腫瘍)での死亡率は年々上がっているとのことです

2021年における日本人の死亡者数とその割合のほぼ4分の1は悪性新生物(腫瘍)だそうです

 このがんのリスクは、多くのがん性物質に曝露すればするほど高くなるほか、曝露の継続時間も影響するそうです。つまり、紙巻きたばこを喫煙する期間が長ければ長いほど、がんのリスクは高くなっていくというわけです。

曝露すればするほど高くなるそうです

また、曝露の継続時間とリスクも比例するようです

グラフのようにリスクは上がっていきます

 前述のとおり、紙巻きたばこを燃焼したことで発生する有害な化学物質は、約100種類ですが、その中の約80種類は、発がん性物質または潜在的発がん性物質とのことです。なお、ハーパー博士もニコチンについて、がんを引き起こす原因ではないと話します。加えて、ニコチン置換療法は医師から処方されているという例にも触れ、療法を考えれば安心できる化学物質でもあるとも述べていました。

紙巻きたばこにも、発がん性物質または潜在的発がん性物質が含まれています

ニコチンはがんを引き起こす原因ではありません

 それに対して、IQOSはどうなのか。研究の結果によると、発がん性物質の曝露量を低減できていることを確認したとのことです。ただし、完全に除去できたとはいいがたいので、この部分に関しては、長期的に研究を実施していかないといけないとも語っていました。

IQOSは、発がん性物質の曝露量を低減できているそうです

FDAが曝露低減としてのクレームを許可したそうです

 そして、ハーパー博士はたばこハーム・リダクションについて今まで失敗してきた紙巻きたばこの低減を、加熱式たばこが実現できていることは素晴らしいこととしつつ、やはり一番のベストは禁煙であるということも付け加えていました。

たばこハーム・リダクションは、今までの規制のアプローチを補完するものだと、ハーバー博士は話していました

 しかし、続けて禁煙の薬用療法などについてはあまり意味がないとも述べました。薬用療法により禁煙できたのは、直近で27%でしかないほか、1年後には8%、4年後には4%まで成功率は下がるそうです。こういった禁煙の難しさも加味したうえで、代替品が必要だとハーパー氏は語っていました。

このセミナーでのハーバー博士の結論です

 なお、日本で紙巻きたばこの消費量はかなり減っており、IQOSが発売されてからの低減度は5倍、4年間で34%下がっているとのことで、いまだかつてないスピードで下がっていっているそうです。

日本での紙巻きたばこの消費量は4年間で34%下がっているとのことです

 同社が本気で紙巻きたばこの低減を目指すとなると、紙巻きたばこの喫煙者はもちろん、喫煙所も加熱式オンリーのところがどんどん増えて行くかもしれません。

 今回のセミナーに参加したことで、私もより紙巻きを減らして、加熱式へ移行したほうがいいなと感じました。リスクの低減という意味でも、今後の喫煙場所という意味でも、紙巻きから加熱式への移行は、考えたほうがいいかもしれませんね。

20歳未満の者の喫煙は、法律で禁じられています。加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、依存性のあるニコチンが含まれるなど、あなたの健康への悪影響が否定できません。
望まない受動喫煙が生じないよう、野外や家庭でも周囲の状況に配慮することが、健康増進法上、義務付けられています。

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