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阪大、脳波計測にも使える「優しい」薄膜生体ドライ電極

2022年10月23日 08時12分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学の研究チームは、従来よりもノイズレベルが低く、肌に優しく密着する薄膜生体ドライ電極を開発した。従来の生体ドライ電極は計測時のノイズレベルが高く、装着圧によって使用者に痛みを感じてしまうことが課題だった。今回の電極は、肌に優しく密着し、ノイズレベルを0.1μV程度に抑えた。ノイズレベルを抑えたことで、脳波の高精度な測定にも利用できるという。

大阪大学の研究チームは、従来よりもノイズレベルが低く、肌に優しく密着する薄膜生体ドライ電極を開発した。従来の生体ドライ電極は計測時のノイズレベルが高く、装着圧によって使用者に痛みを感じてしまうことが課題だった。今回の電極は、肌に優しく密着し、ノイズレベルを0.1μV程度に抑えた。ノイズレベルを抑えたことで、脳波の高精度な測定にも利用できるという。 研究チームは、生体ドライ電極の材料として有機高分子材料を選んだ。伸縮性の高いエラストマーと導電性高分子からなる材料で、ナノ〜マイクロメートルサイズの相分離構造を形成し、導電性高分子の凝集体が薄膜の厚み方向に特異的な導電性を発揮する。相分離構造によってエラストマーは2次元ネットワークを形成し、可視光透過性や粘着力、面方向の高い伸縮性といった、薄膜電極に適した特性を実現した。また、肉眼では見えないAg/Auコアシェルナノワイヤーを配線材料として使い、導電性を高めた。 研究成果は7月19日、アドバンスト・マテリアルズ・テクノロジーズ(Advanced Materials Technologies)誌にオンライン掲載された。電極は、脳波、心電、筋電、脈は、血中酸素飽和度、血流などをワイヤレスで計測するシステムに利用できる。装着時の違和感やノイズを抑えたことで、家庭で簡単に利用できるシステムへの応用が期待できるという。

(笹田)

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