東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部(旧 次世代通信推進課note)連動企画 第89回

都内におけるドローン物流サービスの社会実装を目指すプロジェクトを選定しました!

文●デジタルサービス推進部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

※新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。

 新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。

 東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。

 都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。

■前回の紹介記事はこちら
次世代ウェルネスソリューション構築に向けた2つの連携プロジェクトを選定しました!

※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画

 みなさんこんにちは!スマートシティ推進担当です。

 今回は、ドローン物流サービスの社会実装を目指すプロジェクトについてご紹介します。

▷はじめに

 都は、令和2年度から3年度までの2年間、ドローンを活用した物流ビジネスの速やかな社会実装を目指すため、民間事業者によるビジネスモデル構築に向けた支援を実施しました。

 令和4年12月5日に、改正航空法が施行され、ドローン物流サービスの社会実装に不可欠な有人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル4)が可能となる見込みです。

 都は、改正航空法の施行を機に、都内におけるドローン物流サービスの早期の社会実装を目指し、令和4年度から令和6年度にかけて支援を行います。

♢早期の社会実装に向け、新たに支援を行うプロジェクトを選定しました!https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/news/2022/202207_008.html

▷なぜドローン物流サービスは実現が難しいの?

 「ドローンって、既に空撮や農薬散布などに使われていると思うけど、物流はまだなの?なんで出来ないの?」と思われるかもしれません。ポイントはレベル4飛行=「有人地帯における補助者なし目視外飛行」です。

 ドローンによる宅配サービスをイメージしてみます。ドローンを操縦するパイロットの目の届く範囲はせいぜい数百メートルですから、配送先のご自宅は、この範囲よりもはるか先(=目視外)にありますね。また、お客様のご自宅に商品を届けるためには、きっと途中で何度も道路を横断する必要がありますね(=有人地帯)。

 現行の航空法では、ドローンが道路を横断する際、その下に歩行者が立ち入ることがないよう、パイロットや歩行者に注意を促す「補助者」を配置する必要があります。配送ルート中、道路を横断する箇所ごとに補助者を配置していると、高額の人件費がかかり、とても採算が取れません。

 このように、改正航空法の施行は、物流業界にとって大きなビジネスチャンスとなりえます!

↓ドローンのレベル分けについてはこちら
(国土交通省:「無人航空機のレベル4の実現のための新たな制度の方向性について」より抜粋)

▷選定プロジェクト紹介

 ここからは、今年度から始まる2つのプロジェクトについてご紹介します!

 昨年度のプロジェクトの記事はこちらから読めます↓

 ~ドローンのビジネスモデル構築プロジェクト~

 https://note.com/smart_tokyo/n/n9eb178136edf

 https://note.com/smart_tokyo/n/n8ddc6e16cf74

① ドローンによる医薬品卸から医療機関への医薬品配送

プロジェクトのイメージ (令和3年度のプロジェクトでの飛行の様子)

【プロジェクト実施者】
KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社、日本航空株式会社、
東日本旅客鉄道株式会社、 株式会社ウェザーニューズ、株式会社メディセオ

【プロジェクトについて】
このプロジェクトでは、昨年度に引き続き、医薬品配送の実証を行います。

 医療機関が保管している医薬品の中には、高額で、稀にしか使用機会のない医薬品もあります。使用する機会がないまま使用期限を迎えてしまうと、たとえ高額な医薬品であっても、廃棄せざるを得ません。そこで、これらの医薬品(高額稀用医薬品)を医療機関ごとに保管するのではなく、医薬品卸で集中的に保管し、各医療機関で必要となったときにドローンを用いて迅速に配送することで、高額稀用医薬品の管理コストの低減を目指します。

 今年度のプロジェクトのポイントは、実証期間の長期化です。このプロジェクトでは、病院の多い都心部においてビジネスを実装することを目指していますが、今年度は、実証期間の長期化を図るため、人口の比較的少ない多摩地区にて実証を行います。目視外飛行の安全管理体制や業務フローの検証、医薬品の品質管理体制の確立等を行うことで、来年度以降に予定している都心部での実証につなげていく予定です。

 都心部におけるドローン物流の実装は、とてもチャレンジングなものですが、これが実現できれば、画期的なものとなるはずです!

② 山間地域の生活利便性向上に向けたドローン配送

プロジェクトのイメージ

【プロジェクト実施者】
佐川急便株式会社、イームズロボティクス株式会社、
一般財団法人日本気象協会、株式会社サンドラッグ

【プロジェクトについて】

 このプロジェクトでは、住民等から注文を受けた商品を地域の小売店舗から当日中に配達することなどを目指しています。ドローンを活用した新たな配送手段を構築することにより、山間地域の物流機能を強化し、生活利便性の向上を図ります。

 今年度は、目視外飛行の安全管理体制の検証、商品注文方法・決済手段の検証や、実用化に向けた収益の確保策等、持続可能な配送スキームを検討します。

 山間地域における荷物の配送が、ドローンでひとっ飛び!で可能になれば、欲しいものが欲しい時に手に入るようになるなど、生活利便性の向上につながります!

▷おわりに

 プロジェクトからどんな成果が得られるか、とても楽しみです。

 実証の様子も、順次Noteに公開していく予定です。記事をご覧になっているみなさんに少しでもドローン物流について興味を持っていただけたら嬉しいです!

▷追伸

 最後まで読んでくださりありがとうございました!最後に少しだけ…

 この記事の筆者は、これまでドローンを見たことがありませんでした。そこで、ドローンを自分の目で見に行こう!ということで、6月21日~23日に幕張メッセで開催されていたドローンの国際展示会 ”Japan Drone 2022”に行ってきました。そこで見たドローンを紹介して、この記事を終わりたいと思います。

 https://ssl.japan-drone.com/

 ドローンを間近に見ると、これが飛行するんだ!という実感が湧いてきました。

 展示会では、様々なドローンが様々な用途向けに開発されていることが分かり、勉強になりました。実証が始まると、実際にドローンが活躍する姿を見られるので、とても楽しみです!

◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo