手持ちのCPUクーラー6製品で効果を確認してみた
ここからは、手持ちの空冷CPUクーラー、オールインワン水冷ユニット、本格水冷システムを使って、標準ILMとLGA1700-BCFの冷却パフォーマンスを比べてみた。Core i9-12900K(パワーリミット無制限)を使ったテスト環境を用意している。
ストレステストの「CINEBENCH R23」(30分間実行)を実行。「HWiNFO64 Pro」で、テスト中のCPU温度(CPU Package)を記録している。テスト中の温度推移に、最高温度、前後半5回実行した際の平均温度を抽出し、まとめている。
テスト環境 | |
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CPU | インテル「Core i9-12900K」 (16コア/24スレッド、最大5.2GHz) |
空冷 CPUクーラー |
DeepCool「AK620」(サイドフロー、120mmファン×2) noctua「NH-U12A」(サイドフロー、120mmファン×2) |
簡易水冷 CPUクーラー |
ARCTIC「Liquid Freezer II 360」 (360mmラジエーター、120mmファン×3) DeepCool「LS720」 (360mmラジエーター、120mmファン×3) NZXT「KRAKEN X73」 (360mmラジエーター、120mmファン×3) |
カスタム水冷 CPUクーラー |
EKWB「EK-Quantum Velocity2 D-RGB - 1700 Nickel + Plexi」 +360mmラジエーターなど(120mmファン×3) |
マザーボード | ASUS「TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4」 (インテルZ690チップセット、ATX) |
メモリー | G.Skill「DDR4-3600 16GB×2 F4-3600C16D-32GTZNC」 (DDR4-3600 16GB×2) |
ビデオカード | Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」 (GeForce RTX 3080 Ti、12GB GDDR6X) |
SSD | Samsung「980 PRO 2TB MZ-V8P2T0B/IT」 (PCIe4.0 NVMe 2TB) |
電源ユニット | SUPER FLOWER「LEADEX VI PLATINUM PRO 1000W SF-1000F14PE」 (1000W、80PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
CPUクーラーのラインアップは以下の通りで、本格水冷システムのCPUウォーターブロックとなるEKWB「EK-Quantum Velocity2 D-RGB - 1700 Nickel + Plexi」を含め、6製品を用意している。
空冷CPUクーラー編
空冷CPUクーラーは、空冷最強クラスとなるDeepCool製ツインタワーサイドフロー型の「AK620」と、Noctua最高峰120mmファンの「NF-A12x25 PWM」を2基搭載する「NH-U12A」だ。
CINEBENCH R23を実行して、AK620とNH-U12Aの冷却パフォーマンスに差が出るかチェックしていこう。
AK620の結果をみると、LGA1700-BCFに交換することで、CPU温度は明確にダウンしており、最高温度で8度、テスト開始から5回の平均温度が約7度、後半5回の平均温度に至っては、標準ILMと約10度も差が出ている。LGA1700-BCFを使うことでの冷却効果アップは確実と言えるレベルだ。
続いてNH-U12Aを試すとAK620とは異なる結果で、残念ながらCPU温度に顕著な差は見られなかった。テスト中のCPU動作クロック「Core 0 Clock」と、CPU消費電力「CPU Package Power」は、標準ILMとLGA1700-BCFに違いは見られず、ともに動作クロック4900MHz、CPU消費電力210W台で推移していた。
もともと、LGA1700フレームはCPUクーラーの取り付け方法で効果に違いがあるとは聞いていたので、テスト早々に実証されたようだ。また、違いが現れなかったことは、NH-U12Aの取り付けマウンターが優秀な証でもあるだろう。