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東京ゲームショウ2022レポート

日本eスポーツ連合(JeSU)が「日本eスポーツアワード(仮称)」を発表

ネモ選手などが日本eスポーツ産業の現状や未来の展望を語り合う「Future of esports」取材レポート【TGS2022】

文●市川 編集●ASCII

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JeSUが「日本eスポーツアワード(仮称)」を創設すると発表!

 eスポーツの認知拡大の一環として、JeSUは「日本eスポーツアワード(仮称)」を創設する。部門の内容や選考方法、投票などについてはまだ検討中だが、優先度を上げて実現させたいという。

 ネモ選手は、選手の実力を多くの人に知ってもらうべく、「ベストマッチ賞」のようなものを挙げた。選手がすごいプレイをしても誰にも気づかれないことがあるため、こういったアワードがあるとうれしいとコメント。

 杉澤氏はJeSUの取り組みを高く評価していた。アワードの受賞によって、対象(選手や企業)の注目度が上がったり、新たなファンの獲得につながるのではと話していた。また、スポンサーがついているチームと、ついていないチームを分けることで、新たなeスポーツチームや選手を発見するといった、人材発掘につながると持論を述べた。

 上田氏は、門戸を広くして"登竜門"のような位置づけにすれば、eスポーツの裾野が広がるし、トップの育成も可能になるのではないかと述べた。

 岡田氏は、アワードの対象が有名選手やJeSU構成メンバーのタイトルばかりにならないでほしいと要望を述べた。eスポーツの基盤はeスポーツ選手だが、それ以外にも大会を運営する裏方などに焦点を当ててもいいとも語っていた。また、日本のゲームタイトルが海外で賞を獲得しても、日本のゲームメディアしか取り上げない現状も指摘。このeスポーツアワードでその流れを変えてほしいと願っていた。

日本eスポーツ産業への展望とは

 最後の議題は、日本eスポーツ産業の今後の動きと展望について。JeSUは今後の活動として、2023年に中国で開催されるアジア大会、2026年に愛知県・名古屋市で開催予定のアジア大会などを発表した。さらに、2025年で大阪・関西万博(万国博覧会)においてはeスポーツを使った国際交流を行なっていくという。

 ネモ選手は以前サウジアラビアの大会に出場したところ、選手への注目度が変わったことを明かした。普段大会はあまり見ないけれど、海外大会だったら見てみたい人もいるので、選手として頑張りたいとコメント。2026年のアジア大会に出場できるよう決意を固めるとともに、40代を迎えたので健康第一も強調した。

 ネモ選手はプレイヤーサイドで展望を語っていたが、杉澤氏は大会運営スタッフ、いわば裏方に着目。eスポーツ選手の存在もそうだが、大会の開催には専門的な技術や設備の運営できる人材が必要だからだ。eスポーツには裏方を含む多くの人が関わっている現状や役職、そしてビジネスの可能性について知ってほしいと話を締めた。

 上田氏は、eスポーツのすばらしさは誰でも参加できることとし、リアルのスポーツに対抗する必要はないと説いた。また、国際大会でも採用されている海外のゲームタイトルが人気がある中、日本独自のコンテンツなどを世界に向けて展開すべきだと語った。

 最後に岡田氏は、eスポーツ選手へのサポート体制がまだ整っていないと釘を刺した。しかも選手や運営などを含むエコサイクルもできていないため、選手をただ単に持ち上げるだけの流れを改善してほしいと述べ、本講演会を締めくくった。

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