佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第147回
個人情報を保つためには、イヤホンの生体認証機能も必須となる?
第2世代AirPods Proから見えてきたイヤホンの新しい使用法
2022年09月12日 13時00分更新
9月8日(日本時間)の深夜に、アップル恒例の発表イベントが行われ、「iPhone 14」などの新製品とともに第2世代の「AirPods Pro」が登場した。
機能などの詳細は既にニュースがたくさんあるので重複を避けるが、私が注目したのは「iPhone 14」のBluetooth機能だ。第2世代のAirPods ProともにBluetooth 5.3に対応した。本連載でも過去に話題にしたが、アップルの製品仕様のページからも確認できる。
まず気になるのはLE Audioに対応するかどうか
これはアップルがLE Audioにどう取り組むかを考えるうえで重要だ。LE Audioではアイソクロナスモードで音楽伝送をするため、Bluetooth LEのコアスペックを改良したバージョン5.2以降の対応が必要となる。しかし、いままでのアップル製品はiPhoneもAirPodsもBluetooth 5.0にしか対応していなかった。新製品はBluetooth 5.3に正式対応したので、第1段階はクリアしたことになる。
第1段階と書いたのは、それだけではLE Audioに対応したことにはならないからだ。必須コーデックのLC3や、さらに上位レイヤー(プロファイルに相当する部分)にも対応が必要だからだ。おそらくはiOS 16の登場を待つことになるだろう。iOS 16では、AirPodsの偽造品を検知する機能が入るとも言われている。
いずれにせよ業界への影響の大きなアップルがBluetooth 5.3に対応し、LE Audioへの準備を進めているとしたら、規格の普及に対して大きな前進だといえるだろう。
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