今回のひとこと
「ケイエールは、中小企業の日常業務をデジタル化するサービスである。中小企業にやさしいデジタルを実現し、デジタルにおいても、最も身近なパートナーになることを目指す」
デジタル化を始めたいが何をすればいいか分からないへ
信金中央金庫は、中小企業向けポータルサービス「ケイエール」の提供を、2022年10月から開始する。
ケイエールは、中小企業の日常業務をデジタル化することを支援するツールで、中小企業のDX化を促進できるとする。信金中央金庫とNTT東日本、フィンテックのスタートアップ企業であるエメラダが共同で開発。ケイエールの名称には、経営者にエールを送るという意味を込め、ロゴは、エールを象徴となるメガホンと、ケイエールの頭文字であるKを組み合わせた。また、人の温かみや幸福が感じられるイエローをブランドカラーに採用している。
信金中央金庫の須藤浩副理事長は、「デジタル化に着手したいが、何からはじめたらいいかわからないといった課題にも応えていくことができる」と語る。
ケイエールでは、複数の金融機関の口座残高、入手金履歴を一括管理できる「資金繰り把握」、請求書の作成業務から入金の確認作業までをワンストップで実行でき、インボイス制度にも対応できる「電子請求書対応」、紙で保存している書類をすべてオンライン上で管理できる「電子ファイル共有・保存」、バックオフィス業務にかかるデジタルサービスをワンストップで提供する「バックオフィスサービス」、ポータル上で信用金庫と相談できる経営相談窓口の機能を提供する「課題解決サービス」、グループチャットや掲示板、タスクスケジュール管理などの機能を通じて、社内コミュニケーションを効率化する「コミュニケーション・情報発信」、大口入金時や支払いが不足しそうな場合に通知する「アラート機能」を提供する。
これらの機能は、信用金庫の主要顧客である地域の中小企業に、それぞれの信用金庫から提供され、信用金庫ごとに機能やサービスをカスタマイズすることもできる。
須藤副理事長は、「中小企業の経営者が抱える課題も日々変化し、多様化している。こうした変化に柔軟に適用し、常に中小企業の経営者とともに歩む存在として、ケイエールを進化させながら提供していくことになる」とする。
信金中央金庫の柴田弘之理事長も、「ケイエールは、中小企業が抱えている課題に直接応えることができるツール。これまで培ってきたフェース・トゥ・フェースのリレーションに加え、デジタルにおいても、信用金庫が、中小企業や地域社会の最も身近なパートナーとなることを目指す。中小企業にやさしいデジタルとして提供し、信用金庫と顧客との新たな関係を構築したい」とする。
将来的には、ケイエールとメタバース空間を融合させ、海外の企業とも仮想空間上で商談を行うビジネスマッチングの実現や、仮想空間でも商品の大きさや食感までもリアルに感じることがサービスに拡張する考えも示している。
5年後の2027年3月末には25万社の中小企業の利用を目指すという。
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