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関節リウマチの骨破壊を引き起こす遺伝子を特定=東大など

2022年09月06日 06時11分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学と日本学術振興会の研究グループは、組織破壊型の滑膜線維芽細胞を作るもととなる遺伝子を特定した。組織破壊型の線維芽細胞は、関節リウマチの骨破壊を引き起こす細胞で、ほかにも多くの疾患を引き起こすことが明らかになっている。

東京大学と日本学術振興会の研究グループは、組織破壊型の滑膜線維芽細胞を作るもととなる遺伝子を特定した。組織破壊型の線維芽細胞は、関節リウマチの骨破壊を引き起こす細胞で、ほかにも多くの疾患を引き起こすことが明らかになっている。 研究グループが特定したのは、「ETS1」と呼ばれる遺伝子。滑膜線維芽細胞のみETS1 を欠損させたマウスを新たに作製し、関節炎を誘導して確認した。炎症には影響がないものの、骨と軟骨の破壊が抑制されたことから、ETS1 が骨や軟骨を破壊する組織破壊型の滑膜線維芽細胞を形成する遺伝子であることが分かった。ETS1 は関節リウマチだけでなく、腸炎やがんの病態形成に関わる組織破壊型の線維芽細胞のサブセットにも多く発現しており、組織破壊型の線維芽細胞の形成を通じてさまざまな疾患に関わる可能性が示されたという。 研究成果は8月23日、ネイチャー・イミュノロジー(Nature Immunology)誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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