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記述式答案の採点、AIと人間の「分担」で効率化=東北大など

2022年09月04日 07時23分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学などの研究グループは、記述式答案の採点を人工知能(AI)と人間の採点者が分担するフレームワークを構築した。大学や高校の入試などで記述式答案が増加傾向にあるものの、採点には時間がかかることから、AIによる自動採点の実用化が期待されている。ただ、記述式答案には学習データにはない新しい表現が含まれる場合があることから、予期せぬ採点ミスが発生する可能性がある。

東北大学などの研究グループは、記述式答案の採点を人工知能(AI)と人間の採点者が分担するフレームワークを構築した。大学や高校の入試などで記述式答案が増加傾向にあるものの、採点には時間がかかることから、AIによる自動採点の実用化が期待されている。ただ、記述式答案には学習データにはない新しい表現が含まれる場合があることから、予期せぬ採点ミスが発生する可能性がある。 研究グループはAIによる採点結果の信頼性を示す「確信度」に着目。個々の答案に対して自動採点の確信度を確認し、低い場合は人間の採点者が再び採点するようにした。具体的には、少量の採点済み答案データをもとに、希望する採点品質を実現するための確信度の下限を推定してから、実際の自動採点の際に確信度が下限値を下回った場合に人間が再採点する。研究グループが、日本国内と英語圏それぞれの記述式問題のデータセットを使って、考案した方式が期待通りの効果を示すかを確認したところ、実現可能との結果を得た。 研究成果は7月27日〜31日に英国ダラム大学で開催された国際学会「教育におけるAIに関する国際会議(AIED2022)」で採択され、27日に発表された。

(笹田)

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