SoftBank Vision Fund 2は、出資比率が5~15%がほとんどであり、経営に踏み込んだ支援は行わないが、間接的なアドバイスや、ソフトバンクやYahoo、LINE、Pay payといったソフトバンクグループとのシナジーを活用した支援も行っていくという。同時に、SoftBank Vision Fundの運営においても、大幅なコストダウンを図るという。
「泣く泣くではあるが、SoftBank Vision Fundの組織も、人材削減を含めて、運営コストを大幅に削減しなくてはならない。投資の財源が絞られると、このままではハンターが多いという状況になる。せっかく作った組織や集めた人材であり、彼らとの絆がある。これは非常に辛い。だが、半年でこれだけの損失を出している。聖域のないコスト削減を図らなくてはならない」とする。
会見の最後には、「今日は暗い話で申し訳なかった」と話した孫会長兼社長だが、8月11日に65歳を迎えたことについて聞かれると、「大幅な赤字に責任は感じているが、経営に対する意欲はますます高まっている。いまはやる気がいっぱいである。迷惑であると言われてもやる気いっぱいである」と、孫会長兼社長らしいコメントも飛び出した。
徳川家康は、顰像を傍らに置き、反省を繰り返しながら、天下人へとのぼりつめた。65歳を迎えた孫会長兼社長が、反省をもとに、新たな戦いに挑み始めた。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ