業務用時計が「大人の配色」に打って出た!
ジン/model.556 Citrine Yellow
ジンはスイスと並び時計大国として知られるドイツで1961年に誕生したブランドで、正式名称は「ジン特殊時計会社」という。世界に数多ある時計ブランドの中でも、屋号に「特殊」と銘打っているのはおそらくジンだけではないか?
創業者のヘルムート・ジンはドイツ空軍で活躍するパイロットだった。当初は航空機のコクピット計器やパイロットウオッチの開発を主軸に発展。やがて軍の特殊部隊や警察、職業ダイバー、レスキューなど、より専門的なニーズに特化した製品を多岐にわたって手がけるようになった。これらはたんなる腕時計ではなく、正確に時間を知り、計るための装備品という見解なのだ。
model.556は最小限の機能に特化しつつ航空時計の名門らしい視認性の高さや的確な操作性、耐久性、ドイツ工業規格DIN8310に準拠した20気圧の耐圧性能、負圧耐性などのハイスペックを備えたベーシックモデルで、多様な「特殊性」がひしめく同社の製品の中にあって、極度に簡潔な佇まいが逆に個性的に映えたりもする。従来、定番として活躍してきたラインアップは同社の基本仕様ともいえるブラックダイヤルを(当然のごとく)採用していたが、2022年の最新作はその範を意外な手法で打ち破り、名作の歴史を文字通り「塗り替えた」。
否が応でも目を引くカラフルでモダンな新色のフェイスは、宝石に着想を得たもの。たとえば暖色系の「シトリンイエロー」であれば黄水晶がもつ美しい輝きやエレガンスを、「特殊時計会社」ならではの解釈と技術力で機能的なデザインに落とし込んでいるのだ。高級感のあるメタリックな色みはまぢかで見ると微粒子を噴霧したかのような精緻で立体的な質感で、model.556持ち前の無骨な機能美がスタイリッシュにアップデートされている。
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