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ロードスターの日々は毎日素晴らしい~990Sロングランレポ 第6回

ロードスター990Sの購入から2000km走った実感、そして1ヵ月点検到来

2022年07月09日 15時00分更新

文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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納車から2ヵ月弱で2000kmを走破!

「990S」で、伊勢志摩までロングドライブ。海を一望するワインディングがあちこちにある

 2月中旬に「ロードスター 990S」(以下、990S)を納車してから、約2ヵ月弱で走行距離は2000kmを突破しました。実際は3月末の時点で2000kmを走っていましたから、実質1ヵ月半です。そんな短期間で2000kmを超えた理由はひとつ。伊勢志摩まで取材をかねて旅行に行ってきたんですね。その往復だけで1000km以上。行程のほとんどが高速道路でしたが、それでも伊勢志摩には眺めがよいワインディングがたくさんあって、本当に楽しい旅行……いや取材となりました。

2月の納車から2ヵ月弱で、走行2216kmに。伊勢志摩へのドライブだけで1000kmを稼いでいる

 ただし、まだ慣らしということもあり、ワインディングはゆったりノンビリと、眺めを楽しみながらというもの。それでも、ロードスターは狙ったラインを余裕綽々にトレースしてくれます。また、NDのエンジンは低回転から粘り強いというか、非常にトルクフル。1.5リッターしかないのに、2000回転以下でも、ぐいぐいと加速します。以前に乗っていた1.6リッターのNBロードスターとは、大違いです。NBの1.6リッターエンジンになて、NDにあるエンジンの可変バルブタイミング機構が、この差を生み出しているのでしょう。まさに隔世の感です。

「990S」で伊勢志摩をドライブ。自然が豊かなだけでなく、道の整備も行き届いており、非常に走りやすい

 そして、そんなクルージングのような気分で走るワインディングこそ、990Sの最も得意とするシーンではないでしょうか。990Sの特徴のひとつが「LSDなし」ということ。そのため、コーナーリングの立ち上がりは、それほど鋭いものではありません。これまで愛車としてきた僕のロードスターは、どれもLSD付きでしたから、もっとグイグイとトラクションがかかりました。そして、コーナーの入口では、LSDによってリヤがグッとふんばるような安定感を生み出していたのです(※LSD=リミテッド・スリップ・デフ。コーナリング時の内輪差を制限する装置。曲がりにくくなるけれど、加速しやすくなる)

 でも990SはLSDがありませんから、コーナーへの飛び込みでは、ひらりと軽やかに向きを変えます。そして、流れるようにコーナーを立ちあがります。LSD付きのように、ガっと突っ込んで、グイと曲げて、ドカンと立ち上がるのではありません。LSDがないから、サッと入って、スーッと抜けるのです。

 また、そのときにロールを抑えるKPCが、スタビライザーのように車体の浮き上がりを抑え、後輪の接地感を増してくれます。つまり、「990S」の軽やかな走りに安心感を与えてくれるのです。

 目を三角にしてタイムを削るという走りではなく、ゆったりと運転を楽しむのが「990S」の真骨頂。だからこそ、「990S」での伊勢志摩の旅行は、非常に楽しめるものとなりました。

「990S」にて伊勢志摩ドライブ。海が近く、のどかな道が続く。交通量がそれほど多くなく、観光スポットが点在している

 ちなみに往復の高速道路も、過去の愛車であるロードスターたちの中でも、一番に快適なものでした。トルクフルなエンジンに、あたりは柔らかいけれどしっかりと腰をホールドするシートが疲れを最小限に抑えてくれます。また燃費は、高速と街中、そしてワインディングを1091km走って、給油は61.4リッターで約17.8km/L。NB時代よりも、よい数字が出ました。NDロードスターは燃費が良いと聞いていましたが、この旅でそれを実感することができました。

1ヵ月点検ではオイル交換と幌のレバーを交換

 そんなこんなで納車から1ヵ月も過ぎ、さらに走行距離が1000kmを超えてしまいましたから、当然、1ヵ月点検を行なうことに。慣らしも終わったということで、エンジン・オイルの交換もしてもらうことにしました。

 実のところ、トラブルが発生していたんです。小さな部品なんですが、納車直後にひとつ壊れていました。それが幌を固定するフックのレバー。その取っ手部分が外れちゃったんです。無理やり引っ張ったわけじゃなくて、普通に操作しただけなんですけど、ポロリと。無理やり押し込めば直るかなとも思いましたが、中の樹脂の爪の部分が曲がっていて、あえなく新品交換となりました。もちろん無料です。

納車直後に幌の開け閉めをしたところ、あっけなく外れてしまったフックの取っ手。1ヵ月点検時に無償で修理してもらえた

 あと、点検してもらったら、パーキングブレーキの引き代が伸びていたようで、短く調整を。ちなみに、1ヵ月点検は無料なんで、これも無料です。

 ただし、エンジン・オイル交換は、1ヵ月点検のメニューに入っていないので、追加で依頼。こっちは有料となります。聞いてみると、最寄りのマツダのディーラーでは、エンジン・オイルは4種類から選べるとか。純正の「ゴールデンECO」(0W-20)と、「カストロールMagnatec Professional」(5W-30)と(0W-20)の2種、そして「カストロールEDGE Professional」(0W-30)の4種類です。価格は約5500~9500円で、もちろん純正が安くて、順番に高くなってゆきます。正直、そんなに飛ばすわけではないので、純正でもいいかな~と思いましたが、せっかく選べるならばと、そのひとつ上の(5W-30)にしました。一番硬いオイルなので、エンジンの回転フィールは重くなるかもしれませんが、保護力は一番高いだろうというのが理由です。

1ヵ月点検は基本的に無料。自宅から最寄りのマツダのディーラーへ予約をしてクルマを持ち込んだ。購入した店ではないが、顧客情報は共有されており、接客は非常に丁寧なものであった

 実際のところ、影響はミニマムだと思いますけどね。サーキットを走っていた頃だったら、何も考えずに、一番に高いオイルを選びましたが、今は街乗り中心ですから、価格やグレードよりもオイル交換の頻度を優先すべきと考えています。

 とにかく、1ヵ月点検にかかった費用は、エンジン・オイル交換のオイルとワッシャー代だけで、5850円(税込)でした。

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筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 

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