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第12回衛星放送協会オリジナル番組アワード 文化・教養部門「町田樹のスポーツアカデミア【特別編】~アーティストとアスリートの身体・精神論~音楽家 反田恭平」

“一流のフィギュアスケーター”町田樹だからこそ迫れる「アスリート」と「アーティスト」の共通項に仰天

2022年07月08日 10時00分更新

文● 原田健

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 6月13日に「第12回衛星放送協会オリジナル番組アワード」の最優秀賞が発表され、文化・教養部門では「町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平」(J SPORTS 4)が受賞した。

 同番組は、元フィギュアスケーターの町田樹が音楽家・反田恭平との対談を通して、アーティストとアスリートの実践知が共有可能であることを社会に発信するという、これまでにない切り口で異業種間の共通項を照らし出した意欲作。

 町田が、第18回ショパン国際ピアノコンクールで日本人歴代最高位タイの第2位に入賞した反田の“音楽を始めたきっかけ”や“音楽のどんなところに魅力を感じたのか”などに迫りながら、さらには“身体と精神について”“緊張の克服方法”などについても切り込んでいくのだが、中でも「スポーツアカデミア」と冠する番組ならではの分解術で解明する“ピアニストの身体運動”に関する部分は必見だ。

 「椅子の高さがめちゃくちゃ大事」「足裏、膝、腰、お腹、腰、首のうち、3点が座っていればいい音が出る」「弾き方によって変わる身体の使い方」など、ピアニストの口から出る構造的な身体の使い方は、ピアノに関心のない者でも強く興味をそそられるし、芸術を科学的なアプローチで解説しているところが一般向けに分かりやすく面白味がある。

 また、町田の“一流のフィギュアスケーター”としての感受性の豊かさがポイントになっている。「アスリート」の代表として「アーティスト」の芯の部分に迫っているのだが、スポーツの中でも芸術的要素が含まれたフィギュアスケートという競技の“一流”だからこそ、「アーティスト」である反田と共感する部分や共通言語が存在しており、“一流”同士の盛り上がりが番組に色を加えている。

 町田だからこそ掘り下げられる面もありつつ、浮き彫りとなる「アスリート」と「アーティスト」という異業種の共通項の意外な多さに驚かされてみてはいかかだろうか?

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