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kintoneパートナーセレクション 第1回

ノーコードツールを使える学生が受け入れられる土壌を作りたい

エムアイエフのkintoneサービスは基幹システムとの連携やトレーニングに強み

2022年07月08日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

提供: エムアイエフ

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 福岡県でkintoneの導入支援やアプリ開発、トレーニングなどのサービスを提供するエムアイエフは2015年に創業。博多に本社を構え、現在は東京にも営業所を持ち、従業員数は12名となっている。事業としてはOBCの奉行シリーズの導入支援やRPAのサービス提供を行なっているのだが、2017年からはkintone関連のサービスも開始した。

 今回はkintone関連サービスの立ち上げから携わっているエムアイエフ執行役員の金冨聡(かなどみ さとる)氏に、どんな想いでどんなサービスを提供しているのかを伺った。

エムアイエフ執行役員 金冨聡氏

IT業界がローコードツールの技術者を受け入れる流れを加速したい

 金冨氏は新卒でシステムエンジニアとして働き出した。学生時代はITを勉強しておらず、新入社員教育がばっちりあると言われて入社したが、早い段階で現場に配属され、顧客の要望に応えきれない状況になってしまったという。

 そこでITの人材育成に興味を持ち、福岡の専門学校グループで教える側の仕事に携わることにした。そこでは講師としてはもちろん、カリキュラム開発や学校運営として15年間働いたので、就職氷河期など学生が就職しづらい状況も経験。主な就職先であるIT業界はオフショア開発などで単価の低いプログラマーやエンジニアを追うようになってきた。

 そのため、真剣に考えたカリキュラムで一生懸命に教え、学生も必死に勉強するも、結局は単価競争に巻き込まれていくのにもどかしさを覚えたそう。そこで、海外の労働力と比較されない人材を育てられないかと考えた。

「設計やヒアリング、提案をするような上流工程を学ばせるカリキュラムを作りました。その分、プログラミングを勉強する時間が減るので、設計イコール開発としてアウトプットできる海外のノーコード・ローコードツールを使うことにしました」(金冨氏)

 まずは実証実験として一部の学生に指導していたが、就職活動で蓋を開けてみると、従前通りC言語やJava言語ができること、といった募集内容になっている。それならば、ローコード・ノーコードツールを使うIT業界を変えるような仕事をしたいと考え始め、縁あってエムアイエフで働くことになった。

「教育機関から変えていくよりIT業界に飛び込んで変えていく必要があると感じました。大きく言えば、IT業界が変わるスピードを上げていきたいという想いがありました」(金冨氏)

 金冨氏は海外および国内のローコード・ノーコードツールを調べる中で、kintoneのことも知っていた。しかし、実際に触ってみたところ「できないしきい値」がものすごく低いと感じたそう。kintoneなら誰でも活用できるという手応えを得て、エムアイエフでは奉行シリーズの導入支援も手がけつつ、kintoneの関連サービスの立ち上げから携わることになった。

基幹システムとの連携も得意 トレーニングで内製化も支援

 エムアイエフの強みは、さまざまなサービスとの連携だ。以前からOBC奉行シリーズを中心とした基幹システムを扱っているので、システム間をつなぐのはお手のもの。

 契約管理や作業報告を効率化したいと相談してきた顧客に対しても、ヒアリングする中でせっかく請求データまで作るのだから、会計システムと連携すると便利ですよ、と提案するという。その際、もちろん奉行シリーズだけでなく「マネーフォワードクラウド会計」や「freee会計」といったほかのクラウド会計サービスとの連携も提案できる。

 逆にOBCの製品を入れている顧客からの要望を実現できない場合、その部分をkintoneで補い、連携できるようにしようと提案することもある。

 たとえば、「勘定奉行」などをオンプレミスで使っている顧客から、遠距離にある本社でも売上データを一括管理したいという相談を受けたという事例。本社でもパッケージを入れればいいのだが、数字を見るだけに導入するのはコスト的に見合わない。そこで、kintoneを利用し、ロケーションを気にせずどこでもデータを確認できるようにしたそう。

 また、kintone関連サービスとしては、「クラウドユニバーシティ」という認定講師によるトレーニングサービスを用意している。コロナ前は月に1回、サイボウズの福岡オフィスで開催していたのだ。現在はコロナ禍で中断しているが、社会情勢を見ながら復活させたいという。

 kintoneを導入する顧客ごとに個別のトレーニング提案も作っている。アクセス権や通知といった機能やアプリ連携の活用法を共有することで、顧客の内製化を支援する狙いがある。

プラグイン活用でスピード感を実現 豊富なノウハウと実績で業務改善を支援

 基本機能によるアプリ開発のほか、JavaScriptでの個別機能開発も行なっている。そして、さらにエムアイエフは開発期間を短縮するため、プラグインの提供も行っている。

エムアイエフのkintoneワンストップサービス

 詳細画面で使える「自動採番」や「郵便番号住所取得」「タブ表示」「ルックアップ表示絞り込み」といったプラグインや一覧画面で使える「フィールド別検索」プラグインや「フィールド別一括更新」プラグイン、「データフロー」プラグイン、「Excel出力」プラグインなどラインナップは豊富。月一回のペースでプラグインをリリースしている。

 プラグインはすべて過去に顧客からリクエストがあって開発したものばかり。顧客のやりたいことを実現させるために、集合体として提供している。

プラグイン活用によるノンプログラミング領域の拡張

 顧客企業の規模は数百人単位の比較的大きな企業から、kintoneのミニマム5ユーザーで使いたいという顧客まで幅広い。海外のローコードツールを導入している企業が、操作性やコストの問題でkintoneに乗り換えたいという相談もときどき来る。

 金冨氏がkintone関連サービスを提供する際に大事にしているのがスピード感だ。プラグインを活用することで、JavaScriptによるカスタマイズが不要で、すぐに使い始められるのがメリット。現在は、データをどのように流すかというところに注力し、外部システムとの連携プラグインやExcelに出力するプラグインの開発を進めている。

 今後も、業務改善したいがどこから手を付けていいか分からない、どういう風に進めていけばいいのかわからない、という人を支援していくそう。エムアイエフには豊富なノウハウと実績があり、相談さえしてもらえれば具体的な改善イメージや進め方を話すことができるので、さらにkintoneでできることをPRしていきたいという。

「kintoneの画面を便利にするだけでなく、次のステップとして、データをどうやって転がしていくか、外部に出していくのかと言うところを進めていきます。『奉行クラウド』との連携プラグインも準備中で近日リリース予定、また他にもこんなプラグインがあったらというリクエストを聞きながらノーコードで開発できる領域を拡張していきたいです」と金冨氏は締めてくれた。

(提供:エムアイエフ)

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