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白い鉄錆でUVカット、酸化チタン代替材料=NIMSなど開発

2022年06月22日 06時27分更新

文● MIT Technology Review Japan

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物質・材料研究機構(NIMS)、北海道大学、広島大学からなる共同研究チームは、紫外線(UV)を吸収する無色の二核鉄イオンを、多孔質シリカ(二酸化ケイ素)で安定化させた酸化鉄系材料を開発した。今後性能を高めることで、安全性に懸念が残る酸化チタンをUV防止剤として使う化粧品や日焼け止めクリームの代替品や、空気清浄機などの光触媒に応用できるという。

物質・材料研究機構(NIMS)、北海道大学、広島大学からなる共同研究チームは、紫外線(UV)を吸収する無色の二核鉄イオンを、多孔質シリカ(二酸化ケイ素)で安定化させた酸化鉄系材料を開発した。今後性能を高めることで、安全性に懸念が残る酸化チタンをUV防止剤として使う化粧品や日焼け止めクリームの代替品や、空気清浄機などの光触媒に応用できるという。 酵素やタンパク質中に遍在する二核鉄イオンは、UVを吸収することで酸化チタン以上の光触媒作用を示すが、合成が難しく、生成物の安全性や安定性に課題が残っていた。今回、研究チームは、同イオンを、多核化や酸化鉄への結晶化が制限される微細構造の多孔質シリカ粉末(白色)内部に埋め込むことで安定化に成功。こうして得られた白色のUV吸収材は、有害な光触媒作用が低減され、この粉末を用いた日焼け止めクリームは現行の酸化チタンに匹敵する性能と安定性を示した。 現在、白色顔料やUV防止材、光触媒などとして化粧品や日用品、食品、医薬品、建材などの分野で広く利用されている酸化チタンは、2020年にEUによって発がん分類区分2に指定されたのを皮切りに、フランスでは食品利用が禁止されるなど、利用と製造が制限されつつある。国内では使用は制限されていないが、現在の酸化チタンへの依存度と市場規模から、酸化チタン代替材料の開発は重要な社会課題となっている。 今回の研究成果は、学術誌、マテリアルズ・トゥデイ・ナノ(Materials Today Nano)オンライン版に2022年5月26日付けで公開された

(中條)

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