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BALMUDA The Cleaner Lite使用レポ:

バルミューダの問題児、生まれ変わる

2022年06月10日 17時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII.jp

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BALMUDA The Cleaner Lite
発売日 2022年5月19日
実売価格 6万4900円
バルミューダ

https://www.balmuda.com/jp/cleaner-lite/

 私のようにインターネットにどっぷり親しまれている方は「バルミューダの問題児」という見出しでまたスマホのこと書いてんのかと思ったことでしょう。たしかにBALMUDA Phoneは波乱含みのスタートとなりましたが第一弾だしそんなもんでしょう。おしゃれなだけで無難なスマホを出してきたらそのほうが失敗だったと思います。むしろバルミューダが「うへー、バカじゃねーの」と思えるようなことをしなくなったら終わりだと思っておりますからね。開発部隊に結構な人材が入っているという話も聞くので今後に期待です。何しろそのなかにわれらが週アス元副編集長のACCNも入っているということですしね。リスキーなモデルに期待しております。

 ではいったい何が問題児だったのかといえば「BALMUDA The Cleaner」、同社初の掃除機です。

かなり人を選んだ初代「BALMUDA The Cleaner」

 BALMUDA The Cleanerの特徴は、ブラシ2本のヘッドがホバークラフトのように床をスイスイ動く「ホバーテクノロジー」。クイックルワイパー感覚で使えるし、おしゃれでリビングにも置いておけるから「掃除機を出すのが面倒くさい」という心理障壁がなくなるんですよということで2020年10月にデビューしたものの、結果は奮いませんでした。実機を使うとわかるんですが、かなり人を選ぶモデルだったんですよね。確かに床をすべらせる感覚は気持ちよく、クイックルワイパーのような形もかわいく仕上がっていました。しかし全体にでかくて重かった。でかいヘッドは家具の下に入れづらく、ローラーにからんだ毛のメンテナンスも手間でした。

 発想はよかったものの、実装が追いつかなかった。そんな問題児が生まれ変わったのが「BALMUDA The Cleaner Lite」。スティックも短くなってサイズは小型化。標準質量は3.1kgから2.2kgへ軽量化。分厚かったヘッドも薄型化して、使いやすいモデルになりました。小型化したぶんモーターの出力は落ちますが、ブラシ改善のおかげで集じん性は向上。ホバーテクノロジーの魅力はそのまま、よりスマートになって帰ってきた格好です。

すべりがよくなり小回りも利くように

 最大の特徴はやはり運転時の軽さです。自宅を掃除してみたところ、まるでエアホッケーのようなすべりを見せました。気をつけないと家具や壁にガンッとぶつかるほどのツルツル感。従来機はヨコ方向へのすべりが悪く、両手でスティックを持たざるをえないときがありましたが、Liteはそれがありません。ヘッドをヨコにするとトイレ脇のような隙間にもスッとすべりこんでくれて便利。動かしているときは本当にクイックルワイパー感覚です。

 従来機よりヘッドが薄くなったことで入りこめるところも増えました。

 愛用のエルゴラピードよりヘッドが薄くて驚きました(ヘッドのサイズ自体はバルミューダのほうが大きいですが)。

 ヘッドの取り回しが面倒くさい部屋のすみもスイスイです。これは四隅についているローラーのおかげ。

 ヘッドとスティックのあいだは調整され、従来機よりも低いところの掃除がしやすくなりました。

 がんばればソファの下や食器棚の下にも入ります。

 集じん性は従来機より公称値42%アップ。モーターの出力は落ちていますが、新たについた樹脂製のブレードフィンがよくゴミをかきこむようになりました。

 ローラーに毛がからんだときも取りはずしてお手入れがしやすくなっています。ただし他社のようにそもそもブラシに毛がからまないような工夫はありません。

 実際に普段どおり家を掃除したところ、フローリングで使うぶんには十分。保育園帰りの子どもが足の裏につけてきた砂や砂利もしっかりかきこんでくれました。

 ダストカップの容量は減りましたが、もともと容量が多いわけではなかったので大した問題ではありません。カップを取り出してポイッと捨てればいいだけです。

 溝はちょっとほこりが目立ちます。

 ダストケースと同じようにバッテリーも簡単に取りはずせるようになりました。

 運転時間は標準運転で約30分、強運転で約10分。交換用バッテリーを買っておけば掃除中に電池が切れてしまっても大丈夫。バッテリーの寿命が来たとき交換すれば長く使いつづけられるのもメリットです。

 デザインはよりシンプルになりました。スティックが短くなり、従来よりも掃除用品らしい造形に。なんとなく無印の掃除用品システムと印象が似ています。

 自立はしませんが、スティックの先が樹脂なので壁に立てかけておけます。こうして見ると実に掃除用品的。

 スティックの先はわずかに広がっていて握りやすい作り。

 ボタンはてっぺんの電源のみ。長押しすると強運転です。

 ヘッドとスティックの隙間もきれいにまとまっています。

 家のどこを掃除しても気持ちよく、家のどこに置いてあっても気持ちいい。これがバルミューダ最大の魅力です。

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