ソニーグループは6月3日、完全子会社のSony Corporation of America(以下:SCA)が宇宙光通信事業を行なう新会社「Sony Space Communications Corporation(以下:SSC)」を設立したと発表した。
現在、宇宙空間にはおよそ1万2000機の人工衛星があり、今後も増加が見込まれていることに加え、地球周回軌道における衛星での通信量も年々増加しており、利用可能な電波による通信量の限界が指摘されている。
また、低軌道衛星は地上との通信が必要であり、大容量の通信を行なうためには大型の通信機器が必要であることや、地上局の上空を衛星が通過するタイミングでしか通信を行なえないなどの制約があり、即時性に欠けるという課題がある。
SSCではこれらの課題を解決するために、低軌道の超小型衛星間を光で接続する小型光通信機器の開発と関連サービスの提供を計画している。
具体的には、光通信を利用することで、従来の電波通信では物理的に実現が困難な大容量通信を小型機器で実現するほか、衛星と地上間のみならず、衛星間の光通信網を構築することで、地上のどこからでも、どの衛星へもリアルタイムに通信が可能になることを目指すとしている。
今後、同社では利用しやすい通信機器および衛星間通信サービスの提供により、宇宙空間で利用可能な通信量を増やし、宇宙空間を含めた地球全体をカバーするインターネット通信網の実現とリアルタイムサービスなどのアプリ実装も目指すという。