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紅色細菌でゼロカーボン肥料を生成=京大とバイオベンチャー

2022年06月01日 17時42分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学とSymbiobe(シンビオーブ)の研究グループは、紅色光合成細菌を使って農業肥料を生成することに成功した。一般に、農業肥料製造の際には「ハーバー・ボッシュ法」で窒素を固定する必要があるが、高温高圧環境を作るためにエネルギーを大量に消費してしまうことが課題となっている。今回の手法で農業肥料を生産できれば、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量を大幅に抑えられるという。

京都大学とSymbiobe(シンビオーブ)の研究グループは、紅色光合成細菌を使って農業肥料を生成することに成功した。一般に、農業肥料製造の際には「ハーバー・ボッシュ法」で窒素を固定する必要があるが、高温高圧環境を作るためにエネルギーを大量に消費してしまうことが課題となっている。今回の手法で農業肥料を生産できれば、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量を大幅に抑えられるという。 紅色光合成細菌は、大気中の二酸化炭素と窒素を直接固定し、増殖できる性質を持つ。今回は、海洋性の紅色光合成細菌を効率良く培養する方法を確立し、独自の工程で試作肥料を生成した。生成した肥料の成分を解析した結果、植物の生育に充分とされる10%以上の窒素を含んでいることも分かった。 さらに小松菜の栽培で、従来の化成配合肥料と効果を比較したところ、化成合成肥料を与えた小松菜に比べると多少劣るものの、まったく肥料を与えずに育成した小松菜に比べて良好な生育を示したとしている。

(笹田)

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