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世界初、群れで作業をする分子ロボを開発、実働に成功=北大など

2022年04月26日 12時05分更新

文● MIT Technology Review Japan

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北海道大学大学と九州大学などの共同研究チームは、生き物の生存戦略の一つでもある「群れ」の利点を取り入れた、実働するマイクロサイズの分子ロボットを世界に先駆けて開発。分子ロボットに群れという協働作業戦略を取り入れることで、物質輸送という実効的な仕事を達成することに成功した。

北海道大学大学と九州大学などの共同研究チームは、生き物の生存戦略の一つでもある「群れ」の利点を取り入れた、実働するマイクロサイズの分子ロボットを世界に先駆けて開発。分子ロボットに群れという協働作業戦略を取り入れることで、物質輸送という実効的な仕事を達成することに成功した。 同研究の分子ロボットは直径25ナノメートル、全長は5マイクロメートル(髪の毛の20分の1)程度のサイズ。駆動系としてモータータンパク質制御系としてDNA分子コンピュータを持つ。光を感知するフォトクロミック色素を組み込むことで群れの形成解離の遠隔操作を可能にし、積荷の輸送先は光(紫外光)を照射するだけで任意に指定できるようにした。 分子ロボットを群れとして協働させることで、分子ロボット単体と比べて輸送効率を最大5倍、積荷サイズを10倍に拡大。単体では実現し得なかった数十マイクロメートルサイズの物質を輸送することに成功した。 本研究成果は、2022年4月21日にサイエンス・ロボティックス(Science Robotics)誌にオンライン掲載された。将来は、薬剤の運搬や選択,汚染物質の回収など様々な現場で活躍するロボットとしての応用が期待される。

(中條)

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