低容量の格安SIMでは速度計測を数回やれば
“ギガ”消滅のおそれも
速度が早いことによる問題もある。それは速度計測だ。筆者も以前ほどは計測しなくなったが、記事に必要な場合以外にも自身の興味などですることもある。ところが、速度が早くなればデータ量も加速度的に増えていく。
参考までにある場所で速度計測した結果を示しておく。これはソフトバンクのLINEMO契約のSIMでOPPO Reno 5Aを使い、5Gエリアで記録した数字。5G表示を見つけたのでつい、計測してしまったのだ。
LINEMOのSIMではそれまで「5G」表示が出てても超高速で通信できるケースは多くなかった。ところが、そこは(4Gから転用した周波数帯ではなく)真の5Gエリアだったようで速度は下り816Mbpsという速度を叩き出した。その結果、下りの1回の計測で1245MBを消費。上りは53.4Mbpsだったため30.3MBで済んだものの、一瞬で1GBを以上を使ってしまった。このLINEMOのSIMは3GBプランだったため、1ヵ月分の3分の1以上ということになる。
3GBプランならここで3回試すと、それで使い切るが、たとえ20GBプランだったとしてもすぐ使い切ってしまうだろう。少し遅い500Mbps台だったとしても、やはり1回で600~800MBほどを消費してしまう。
5Gは今すぐメリットはないが、今からスマホを買うなら5G機
以上のように、通信量に限りがある格安SIMで、現時点では無理に5Gにするメリットはないと言ってもよい。速度がたとえ速くなったとしても使用感が変わることもほとんどない。そればかりか速すぎる通信をしてしまった場合、データを消費しすぎるデメリットもある。現状、今すぐ新しいスマートフォンを買いたい理由がないなら、5Gで通信するがために無理に買うのはおすすめしない。
反対にちょうど買い替えのタイミングというのなら、基本的には5G対応モデルをおすすめしたい。その理由としては、今後5Gであったほうが有利なことが増えてくる可能性があるからだ。4Gが終了するのは相当先と考えられるので、4Gスマホが先に使えなくなるといったことを考えなくてもよいが、5Gに有利なエリア展開や料金の仕組みなどが登場する可能性がある。
また、あまり長く使わないつもりの端末でも、今後、5G非対応というだけで売却時の相場が下がる可能性は十分ある。リセールバリューをあてにして買い替え続けるつもりなら、5G機を選んでおく価値はあるだろう。
5Gにしても快適さに変化はない
過渡期の今だから賢いスマホ選びを
今年4月の時点では、MVNOを含め、5Gを利用できる格安SIMは多く、契約だけならすぐにでも5G対応が可能。しかし、スマホも含めて5Gにしたところで、速度測定以外に特別に快適になったりすることはほとんどなく、実際の利用という点ではしばらく大きな変化はないと言ってもいいのが実態だ。
これからスマホを買うなら前述のように5G対応機がおすすめだが、現状で不満がないなら無理に買い替える必要はなし。また、快適に使える性能がありながら割安で入手できる4Gの機種があれば、それはそれでありだろう。5Gへの過渡期の今、賢く選んでほしい。
この連載の記事
-
第254回
スマホ
新規契約した電話番号なのに、知らない着信がたくさん……トラブルレスの電話番号を手に入れる方法 -
第253回
スマホ
低価格スマホのRAMは4GBと8GBで差があるのか? Redmi 12 5Gを両方買って試した -
第252回
スマホ
同じmineoやIIJmioでもネットワークによる違いはあるのか? 実際に試した -
第251回
スマホ
ソフトバンクで安く利用可能な折りたたみスマホ「motorola razr 40s」を格安SIMで使ってみる -
第250回
スマホ
IIJmioに登場した大容量50GBプランは得か損か? IIJmioの賢い使い方を考える -
第249回
スマホ
平日昼休みの通信品質5倍改善は実際どう? 20GBが最大6ヵ月、月990円も魅力のmineoを試す -
第248回
スマホ
クーポン一杯! 料金以外の特典が大きくてオトクなSIMを調べた -
第247回
スマホ
からあげクンを買ったらデータ通信がおまけ!? トッピングが楽しいpovo2.0の最近の状況を見る -
第246回
スマホ
2024年のモバイル業界 料金プランとスマートフォン販売はどうなるのか? -
第245回
スマホ
今の形のスマホ値引きは12月26日まで? 駆け込みで買ったほうがいい? -
第244回
スマホ
月2178円で30GB+通話定額付き! 日本通信SIM「合理的30GBプラン」に実際に加入、ホントに高コスパ? - この連載の一覧へ