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磁気冷凍法による水素液化に成功、コスト削減に道=金沢大

2022年04月14日 05時58分更新

文● MIT Technology Review Japan

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金沢大学と物質・材料研究機構(NIMS)、大島商船高等専門学校らの研究チームは、磁気冷凍システムの極低温における駆動を実現し、同システムによる水素の液化に成功した。低コストで省エネルギーな水素液化プラントの開発につながる可能性がある。

金沢大学と物質・材料研究機構(NIMS)、大島商船高等専門学校らの研究チームは、磁気冷凍システムの極低温における駆動を実現し、同システムによる水素の液化に成功した。低コストで省エネルギーな水素液化プラントの開発につながる可能性がある。 研究チームは今回、最適化された超伝導磁石の磁場中に磁性体を出し入れすることで、高効率で発熱の少ない磁場変化を与える機構を開発した。さらに、同機構を利用して能動的蓄冷式磁気冷凍(AMRR)に最適化した熱交換器を開発するとともに、磁性体形状を改良。冷却動作温度範囲の拡大と極低温での安定した磁気冷凍サイクルを実現し、世界で初めてAMRRによる水素の液化に成功した。 現在利用されている気体式冷凍機による水素の液化効率は最大25%程度であり、水素供給価格の低下および水素社会実現に対する障壁となっている。磁性体への磁場の変化に伴う吸熱・発熱反応を利用する磁気冷凍を使えば水素の液化効率を向上できるが、これまで試されてきた水素液化用磁気冷凍は冷却動作温度範囲が数℃と狭いうえ、極低温での実現は困難とされてきた。 今回の研究成果は,2022年4月11日に、アプライド・フィジックス・エクスプレス(Applied Physics Express)のオンライン版に掲載された

(中條)

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