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がん放射線治療の効果を金ナノ粒子で高める方法を発見=名大など

2022年04月09日 07時19分更新

文● MIT Technology Review Japan

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名古屋大学、産業技術総合研究所、愛知県がんセンター、量子科学技術研究開発機構、北里大学、広島大学の研究グループは、がんの放射線治療で使用する高エネルギーMV(メガボルト)-X線の照射効果を高める方法を発見した。

名古屋大学、産業技術総合研究所、愛知県がんセンター、量子科学技術研究開発機構、北里大学、広島大学の研究グループは、がんの放射線治療で使用する高エネルギーMV(メガボルト)-X線の照射効果を高める方法を発見した。 MV-X線はがん放射線治療でよく使われているが、投与できる線量に限界があり、がん細胞の放射線への感受性を高め、治療効果を増強する薬剤の開発が求められている。効果を高める方法として、金ナノ粒子を薬剤として併用する方法が有望な候補とされてきたが、大量の金ナノ粒子が必要になる点が課題だった。 研究グループは、治療用MV-X線照射によって発生したDNA損傷を、DNA電気泳動法を使用して高い感度で調べ、プラス、マイナスにそれぞれ帯電した金ナノ粒子の効果の違いを確認した。その結果、プラスに帯電した金ナノ粒子のみが、少量でもDNA損傷に対して有意な増強効果を示した。 研究成果は3月1日、「ナノマテリアルズ(Nanomaterials)」誌に掲載された。今後、がん放射線治療用薬剤の開発につながることが期待される。

(笹田)

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