マザーボードはコスパ優れたBIOSTAR「B660GTN」
そしてマザーボードは「B660GTN」だ（関連記事）。H610チップセット搭載で実売価格1万6000円台のASRock「H610M-ITX/ac」や、GIGABYET「H610I DDR4」も気になるが、スペック面で惜しいところがあり、コスパでは1万9000円前後で購入できるB660GTNが優位になっている。
B660GTNのコスパはかなり優れている
B660チップセット採用で2万1000円前後になっているASRock「B660M-ITX/ac」を含め、それぞれのマザーボードをチェックしていこう。
ちなみに筆者が今回選んだ際のボーダーラインは以下の感じだ。
- 電源回路は発熱温度が低いDrMOS採用かつ、なるべく多フェーズ。CPU電源コネクターは8pin仕様。Core i5へのアップグレードも視野に入れておく
- M.2スロットはPCIe4.0×4インターフェース対応。さらにM.2ヒートシンクを標準装備
- ネットワークは2.5ギガビットまたはWi-Fi6対応。Wi-Fi6は増設対応でも可
M.2スロットのPCIe4.0×4インターフェース対応は、コストを優先した自作ではあまり関係ないように感じるかもしれないが、PCIe4.0×4 M.2 SSDはいい感じに値下がりしているほか、DRAMキャッシュレスの低価格モデルも登場している。これから組むならPCIe4.0×4対応は押さえておきたいところだ。
そのほかM.2ヒートシンクは1000円程度で追加でき、2.5ギガビットLANとWi-Fi6も必要に応じてUSB接続で拡張できるので必須ではないが、搭載しているのに越したことはない。
| 各Mini-ITXマザーボードの比較表（太字は優位点） | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 型番 | BIOSTAR B660GTN | ASRock B660M-ITX/ac | ASRock H610M-ITX/ac | |||
| 実売価格 | 1万9000円前後 | 2万1000円前後 | 1万6500円前後 | |||
| チップセット | Intel B660 | Intel B660 | Intel H610 | |||
| 電源回路/CPU電源コネクター | 60A Dr.MOS 9フェーズ/8pin | 50A Dr.MOS 6フェーズ/8pin | 50A Dr.MOS 6フェーズ/8pin | |||
| メモリースロット | DDR4×2（最大64GB）、DDR4-5000＋(OC） | DDR4×2（最大64GB）、DDR4-5000＋(OC） | DDR4×2（最大64GB）、DDR4-3200 | |||
| 拡張スロット | PCI Express5.0×16×1 | PCI Express4.0×16×1 | PCI Express4.0×16×1 | |||
| ストレージ | SATA3.0×4、M.2スロット×2（PCIe4.0×4、PCIe4.0×4/SATA3.0） | SATA3.0×4、M.2スロット×1（PCIe4.0×4/SATA3.0） | SATA3.0×4、M.2スロット×1（PCIe3.0×4/SATA3.0） | |||
| M.2ヒートシンク | 標準装備 | 非搭載 | 非搭載 | |||
| LAN | 2.5ギガビットLAN、Wi-Fi M.2 E Keyソケット | ギガビットLAN、Wi-Fi5 11ac（M.2 E Keyソケット採用） | ギガビットLAN、Wi-Fi5 11ac（M.2 E Keyソケット採用） | |||
| サウンド | 7.1chオーディオ（Realtek ALC1220） | 7.1chオーディオ（Realtek ALC897） | 7.1chオーディオ（Realtek ALC897） | |||
| リアインターフェース | PS/2×1、HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.2 Gen2 Type-A×4、USB2.0 Type-A×2、オーディオ端子×3、RJ45×1 | PS/2×1、HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.2 Gen1 Type-A×2、USB2.0 Type-A×2、オーディオ端子×3、RJ45×1 | PS/2×1、HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.2 Gen1 Type-A×2、USB2.0 Type-A×2、オーディオ端子×3、RJ45×1 | |||
| M/B USBヘッダーピン | USB2.0×2、USB3.2 Gen1×2 | USB2.0×2、USB3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen1 Type-C×1 | USB2.0×2、USB3.2 Gen1×2 | |||
| 型番 | GIGABYTE H610I DDR4 [Rev.1.0] | ASRock H670M-ITX/ax | ||||
| 実売価格 | 1万6500円前後 | 2万6000円前後 | ||||
| チップセット | Intel H610 | Intel H670 | ||||
| 電源回路/CPU電源コネクター | Dr.MOS 4+1+1 6フェーズ/4pin | 50A Dr.MOS 8フェーズ/8pin | ||||
| メモリースロット | DDR4×2（最大64GB）、DDR4-3200 | DDR4×2（最大64GB）、DDR4-5000＋(OC） | ||||
| 拡張スロット | PCI Express4.0×16×1 | PCI Express5.0×16×1 | ||||
| ストレージ | SATA3.0×4、M.2スロット×1（PCIe3.0×4/SATA3.0）※チップセット制御 | SATA3.0×4、M.2スロット×2（PCIe4.0×4、PCIe4.0×4/SATA3.0） | ||||
| M.2ヒートシンク | 標準装備 | 標準装備（M.2スロット×2基 一体冷却） | ||||
| LAN | ギガビットLAN | 2.5ギガビットLAN、ギガビットLAN、Wi-Fi6 11ax（M.2 E Keyソケット採用） | ||||
| サウンド | 7.1chオーディオ（Realtek ALC897） | 7.1chオーディオ（Realtek ALC897） | ||||
| リアインターフェース | PS/2×1、D-Sub×1、HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.2 Gen1 Type-A×2、USB2.0 Type-A×4、オーディオ端子×3、RJ45×1 | HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.2 Gen2 Type-A×2、USB3.2 Gen2×2 Type-C×1、USB2.0 Type-A×4、オーディオ端子×3、RJ45×2 | ||||
| M/B USBヘッダーピン | USB2.0×4、USB3.2 Gen1×2 | USB2.0×2、USB3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen1 Type-C×1 | ||||
ブランドを加味すると、ASRockのB660M-ITX/acも選択肢として十分あげられるが、今回選んだB660GTNは基板裏面に装備する2基目のM.2スロットや、ハイエンドオーディオチップのRealtek ALC1220、リアインターフェースに最大10Gbps対応のUSB3.2 Gen2を搭載といったあとからの拡張が効かない部分のスペックがB660M-ITX/acよりも上回っている。
つまりB660GTNは、H670チップセットを採用し2万6000円前後となるASRockのH670M-ITX/axと並ぶスペックになっていると言って良いだろう。
ブランドでの安心感では、PCIe4.0×4に対応する「B660M-ITX/ac」（左）か、M.2 SSDにこだわらなければ、コスト優先で「H610M-ITX/ac」（右）だろう
総額7万3600円前後となるコンパクトPCのレシピが完成
あとはメモリーとM.2 SSDを選べば、コンパクトPCのレシピは完成だ。限られた空間にパーツが詰め込まれるMini-ITX自作でも安心のヒートシンク装備を第1条件に選んでいる。ここではDDR4-3200 8GB×2枚セットで、手ごろな価格になっていることも多いcrucial「Ballistix」シリーズの「BL2K8G32C16U4B」を購入した。
DDR4-3200に対応するcrucial「Ballistix BL2K8G32C16U4B」。ビジネス、写真編集ともに必要十分な16GBになる
M.2 SSDは悩みどころ。コストを重視するなら、1TBで1万2500円程度となっているWestern Digital「WD Blue SN570 NVMe」や、Samsung「980」になるが、ここ数週の秋葉週末特価で1万円を切っているcrucial「P2」も狙い目と言える。
実際、筆者も低コスト自作の定番のひとつであるWestern Digital「WD Blue SN570 NVMe 1TB」を考えていたのだが、PCIe4.0×4対応で1TB 1万5000円前後というお値頃感のある「WD_Black SN770 NVMe」が発売されたので、そちらをメインストレージとして搭載することにした。
日常、ビジネス用途では最大リード5150MB/sec、ライト4900MB/secの性能はあまり活かせないが、3000円差で買えるので十分ありだろう。なお、詳細はレビュー記事を確認してほしい。
これでコンパクトPCのレシピは完成だ。パーツ構成の総額はOSを含まず、7万3600円前後となっている。
DRAMキャッシュレスになるPCIe4.0×4 M.2 SSDのWD_Black SN770 NVMe
秋葉原の店頭だけでなく、ツクモなどの通販サイトでも1万5000円前後で購入できる
| コンパクトPC パーツ構成表 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| CPU | インテル「Core i3-12100」 （4コア/8スレッド、最大4.30GHz） |
1万6800円前後 | ||||
| CPUクーラー | CPU付属「Laminar RM1」 | - | ||||
| マザーボード | BIOSTAR「B660GTN」 （インテルB660、Mini-ITX） |
1万9000円前後 | ||||
| メモリー | crucial「Ballistix BL2K8G32C16U4B」 （8GB×2枚、DDR4-3200） |
8000円前後 | ||||
| SSD | Western Digital 「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 （1TB、PCIe4.0×4 NVMe M.2） |
1万5000円前後 | ||||
| ビデオカード | iGPU（インテル UHD グラフィックス 730） | - | ||||
| PCケース | InWin「Chopin Pro」 （Mini-ITX） |
1万4800円前後 | ||||
| 電源ユニット | ケース内蔵 200W | - | ||||
| 総額 | 7万3600円前後 | |||||
