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量子ビットの材料探索を大幅に加速する法則を発見=東北大など

2022年04月06日 15時17分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学、シカゴ大学および米アルゴンヌ研究所の共同研究チームは、固体中のスピン中心の量子ビットとしての性能を決める「位相緩和時間」を記述する「一般化スケーリング則」を発見した。同法則に基づいて1万2000種を超える量子ビット候補材料について位相緩和時間を調べたところ、量子ビットの性能を向上することが予測される新しい量子材料が700種以上あることがわかった。

東北大学、シカゴ大学および米アルゴンヌ研究所の共同研究チームは、固体中のスピン中心の量子ビットとしての性能を決める「位相緩和時間」を記述する「一般化スケーリング則」を発見した。同法則に基づいて1万2000種を超える量子ビット候補材料について位相緩和時間を調べたところ、量子ビットの性能を向上することが予測される新しい量子材料が700種以上あることがわかった。 固体中のスピン中心は、量子コンピュータの量子ビットを構成する物理系の一つ。位相緩和時間は、量子情報を重ね合わせて保持可能な時間で、量子ビットとしての性能を決定づける重要な指標の一つとなっている。今回、共同研究チームは、逐次的数値計算に頼ることなく、物質中の位相緩和時間を計算できる代数的表現を発見。従来は複雑・大規模な計算により、1つの材料につき最大数日を要した位相緩和時間の予測計算を、関数電卓などのありふれたツールで瞬時に実行できるようにした。 本成果は2022年4月4日付で、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)で公開された。

(中條)

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