写真家 鹿野貴司「Pixel 6 Pro」テストレポート 第5回
グーグル「Pixel 6 Pro」手軽で多彩な「編集」で写真の魅力アップ【写真家 鹿野貴司レビュー】
2022年03月27日 12時00分更新
「フィルタ」でローファイなアレンジを自由自在に
デジカメが普及して、フィルムユーザーは品数減少や価格高騰に悩まされ続けている。僕もそのひとりだが、一方でフィルムを愛用する若者は増えており、中古フィルムカメラは高値で取引されている。若者はフィルムの写真をよく「エモい」という言葉で表現するが、その理由は狭い階調や色の偏りにあると思う。何でも忠実に写るデジカメに比べれば、フィルムカメラは極めてローファイ(低品質)だ。そしてそれを擬似的に再現するのが「フィルタ」というわけだ。
せっかく優れたカメラ機能を搭載しているのに、その画質を意図的に下げるとは矛盾も甚だしい。しかし元画像の情報量が多いからこそ、ローファイなアレンジが自由自在にできる。
とまあ端末のレストレポートのはずなのに、まったくそうでない終わり方でスミマセン。昨年秋からPixel 6 Proをお借りして半年近く使ってきたが、私物のiPhoneが11 Proとやや古いこともあって、動作の軽快さや描写力の高さをいろいろな場面で実感した。
個人的にはちょっと発色が鮮やかすぎるとは思うが、高精細でキレのある描写は大きな魅力だ。何より「消しゴムマジック」や「アクションパン」はスマホの進化と未来を感じさせた。久しぶりのAndroidだが操作に迷うこともなく、むしろあらゆるツールをグーグルに依存しているので、カメラ以外の部分についても便利に感じることが多かった。そんなグーグルがカメラそのものを作ったら、きっと驚くような製品ができるんだろうなぁ……と夢が膨らむ。
Pixel 6/6 Proはライバル機種よりお買い得だが、技術を盛り込んだハイエンドモデルにも挑戦してほしい(※個人の希望です)。
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