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女性の健康課題について考える、男性にこそ受けてほしいウェブセミナー「『ミンナハレ』~女性が活躍するための上司の心得~」とは

2022年03月31日 18時00分更新

文● 市川/ASCII

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 サントリーパブリシティサービス(以下:同社)が実施しているウェブセミナー「『ミンナハレ』~女性が活躍するための上司の心得~」に参加した。

 1963年に女性社員だけでスタートした同社では、現在でも多くの女性が活躍しているという。メンタルケアや育成ノウハウなど、同社ならではの手法を取り入れたミンナハレは、働く女性の「からだ」と「こころ」の両面からサポートするオンラインのキャリア教育プログラムとなっている。

 本ウェビナーはミンナハレの中でも「女性を部下に持つ上司の方」にフォーカスしたセミナープログラムとなっている。

 2022年4月1日以降、女性活躍推進法の改正やハラスメント対策の強化が行なわれる中、本ウェビナーでは、女性の部下を持つ管理職などの参加増加がとくに顕著だという。

 働く女性を取りまく環境は様々で、例えば男性側からは「女性の健康課題への対応が必要とは思うが、デリケートな問題でタブーな領域の話」「一歩間違うとセクハラと言われないか心配」といった声が上がっているのだという。

 一方でエムティーアイが実施した調査「FEMCATION白書」では「『女性特有の健康課題』について、社会にとって積極的に解決すべき課題だと思いますか」という問いについては「非常に思う」「やや思う」と回答した男性はあわせて77.1%にも上るほか、女性特有の健康課題について誰に一番理解してほしいかという問いには家族・パートナーよりも上司に理解してほしいというアンケート結果もあがっている。

出典:「FEMCATION白書2021」 株式会社エムティーアイ

出典:「FEMCATION白書2021」 株式会社エムティーアイ

 このような調査からもわかる通り、社内で議論することが難しいという声もある中で、真剣に取り組みたいという調査結果もある。女性特有の健康課題の解決は職場、社会全体における課題であると言えるのだ。

 では、本ウェビナーではどういった面で女性の健康課題についてアプローチしているのだろうか? 今回は筆者が受講したプログラムの一部を紹介していく。

『ミンナハレ』のプログラム

 本ウェビナーは、大きく分けて前半の「女性のカラダ基礎知識講座」と後半の「心構えと考動のヒント」という2つのプログラムに分けて構成されていた。

 エムティーアイと共同開発したという“女性のカラダ基礎知識講座”では、まず東京大学の甲賀かをり氏(大学院医学系研究科 産婦人科学講座 准教授 医学博士・産婦人科医師)が出演する動画から、女性の抱える独自の健康課題、月経関連の知識を学んだ。

 筆者も実際に動画を視聴し、月経に関すること、平均出産時年齢の推移、ライフステージによって変化する女性のカラダについてなど、普段、触れてこなかった女性のカラダに関する知識を少なからず理解を深めることができた。

 また本講座では、月経関連トラブルとその対処法として、1ヵ月のレコードを取る(アナログやアプリでのデータ管理など)、かかりつけ医を見つける、などの具体的な対処法も紹介された。

 2つ目のプログラムである“心構えと考動のヒント”では脳の使い方、コミュニケーションタイプと心理的特徴などから相手への接し方を学ぶことができる。

 スライドでは、「プロセス指向共感タイプ」と「ゴール指向問題解決タイプ」という脳が緊張したときにとっさに使う回路の違いがあり、タイプごとに心構えと行動を変える必要があるということが説明された。

参考:黒川伊保子 コミュニケーション・ストレス男女の溝を科学する2020

 その上で、タイプごとに異なる心構えのヒント、そして行動のヒントがスライドで示された。この2つ目のプログラムでは、とっさのモノの見方や物事の感じ方・コミュニケーションの大前提が異なるということを知り、「相手と自分の違い」を認めて受け入れることが重要だとまとめられている。

 さらにプログラム内では、参加者同士で語り合うディスカッションの時間も設けられていた。実際に筆者もディスカッションに参加し、ほかの参加者と話し合うことができた。

 ディスカッションでは、本ウェビナーを受講する中で感じた自分なりの考えを発言することで整理できたり、女性の参加者の意見を聞くことで実際の悩みや困りごとを改めて認識できたと感じた。

まとめとして

 今回、本ウェビナーに参加し、筆者が感じたことは、「知識」の有無によって雲泥の差があるということだ。

 たしかに意識して課題を解決することは大事だが、その大前提として女性の健康課題を理解するということは必須だ。

 文章中にも述べたが、女性の健康課題は男性も含めて考える社会全体の問題だと感じる。それは女性の社会進出が進んできたからというのも理由の一つではあるが、それ以上に働きやすい職場環境を作ることは男性、女性関わらず、どの職場・社会においても必要なことだと思うからだ。

 ミンナハレはそんな自身の考えを改革する一助となるプログラムと感じた。

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