大阪大学の研究チームは、ロボットやドローン、自動車といった物理システムを制御し、さまざまなタスクを実行するための機能を、低コストで学習する人工知能(AI)技術を開発した。数値実験では自律型移動ロボットの制御において、約200種類のタスクを一度に学習するシミュレーションを実行し、従来法に比べてメモリー消費量を24分の1に削減できた。
大阪大学の研究チームは、ロボットやドローン、自動車といった物理システムを制御し、さまざまなタスクを実行するための機能を、低コストで学習する人工知能(AI)技術を開発した。数値実験では自律型移動ロボットの制御において、約200種類のタスクを一度に学習するシミュレーションを実行し、従来法に比べてメモリー消費量を24分の1に削減できた。 従来の方式では、センサー情報から物理システムの制御情報を生成するためには、タスクごとに学習モデル(ニューラル・ネットワーク)を用意する必要がある。研究チームは、さまざまなタスクをベクトルに変換する学習モデルを構築し、得られたベクトルをセンサー情報とともに学習モデルに入力して、制御情報を生成するようにした。 同チームが発案した手法では、タスクの数に関わらず、タスクをベクトルに変換する学習モデルと、制御情報を生成する学習モデルのみを訓練すればよいことになる。そのため、従来よりもメモリー消費の削減と、学習効率の向上が期待できる。同研究成果は3月8日に、IEEEロボティクス・アンド・オートメーション・レターズ(IEEE Robotics and Automation Letters)に掲載された。(中條)