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長期的な水素ガス吸入で急性呼吸促迫症候群を軽減=岡山大

2022年02月18日 06時56分更新

文● MIT Technology Review Japan

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岡山大学の研究チームは、急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者に水素ガスを長期的に吸入させることで、症状を軽減し、後遺症を緩和させる可能性を示す動物実験の結果を発表した。ARDSは、肺炎、敗血症などを起因とした全身性炎症が肺に波及することで生じる急性呼吸不全で、新型コロナウイルス感染症の重症化の原因とされる。

岡山大学の研究チームは、急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者に水素ガスを長期的に吸入させることで、症状を軽減し、後遺症を緩和させる可能性を示す動物実験の結果を発表した。ARDSは、肺炎、敗血症などを起因とした全身性炎症が肺に波及することで生じる急性呼吸不全で、新型コロナウイルス感染症の重症化の原因とされる。 研究チームは、ブレオマイシンの投与によって肺障害を誘発された小動物モデルを使い、水素濃度3.2%、3週間、1日6時間の水素ガスを吸入させた。その結果、肺内の炎症性サイトカインの発現を抑制し、慢性期の肺の線維化を軽減できることが分かった。肺の中の組織変化だけでなく、呼吸機能の悪化を緩和できることも確認した。 今後は、臨床研究でARDS患者への水素吸入の有効性と安全性を確立し、医療現場に水素ガス吸入療法を提供できるように研究を進めるとしている。研究成果は「BMCパルモナリー・メディシン(BMC Pulmonary Medicine)」にオンライン掲載された。

(笹田)

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