アドビは2月9日、公式ブログにて「PDFにおける透明効果、20年の歩み」と題した記事を公開した。
半透明という概念をページ記述言語(PDL)に導入したAdobe PDF 1.4のリリースから2021年末で20年を迎える。透過画像モデルの導入により、「それ以前のバージョンのPDFが提供していた不透過画像モデル」を拡張し、「不透明度を調節しながらオブジェクトをペイントし、先にペイントしたオブジェクトを透過させる」ことができるようになった。
それまでのPostScriptやそれ以前のバージョンのPDFはいずれも、不透過画像モデルしかサポートしておらず、透明効果の導入はおよそ30年にわたるPDFの歴史において最も重要な技術革新としている。
今日では主なファイル形式やグラフィックソフトウェアはいずれもこのような透明効果をサポートしているが、アドビがPDF 1.4で導入した透過画像モデルの機能は最小限のオブジェクトでアーティスティックかつリアルな効果を作成できると同時に、PDFへエクスポートする際にデザインをラスタライズする必要がなくなり、ベクトル画像やテキストを、デバイスに依存せず作成時の色のまま処理することができるようになりました。
公開されたブログでは、20年前にネイティブな透明効果を導入したことが、PDFの作成者側とPDFを使用する側の双方にとって画期的な出来事であった理由を振り返り、技術的バックグラウンドを持たない読者の方に向けて、全透明・半透明について説明するとともに、今やPDFにとって欠かせないこの機能を支える基本概念を紹介している。