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山根博士の海外モバイル通信 第585回

HarmonyOSで動く自動車が中国で登場! 航続距離は1242kmで価格は約450万円

2022年02月14日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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HarmonyOSはついに自動車にも対応した

 ファーウェイが展開するHarmonyOSは、様々な家電にも搭載が進んでいます。HarmonyOSの最新バージョン2.0では複数のモバイルデバイス間での画面共有が可能など、AndroidやiOSよりも優れた機能を搭載しています。家電との連携もスマートフォン側で調べたレシピの調理設定をHarmonyOS搭載スマートオーブンに転送する、といったことも可能になります。

 そんなHarmonyOSは対応機器を大きく拡大しています。しかも家電を超えて「デバイス」とは言えない製品にも搭載が始まっています。それが自動車です。

 ファーウェイがソフトウェア、中国の自動車メーカー「Seres」がハードウェアを担当し共同開発したプラグインハイブリッド自動車「Aito M5」は世界初のHarmonyOSを搭載する自動車です。ちなみにAITOとはAdding Intelligence to Autoの略だそうです。

HarmonyOS搭載のEV「Aito M5」

 Aito M5はホイールベース2880mmのSUVで、電気駆動システムにはファーウェイのDriveONEを搭載。最大走行距離は1242km、4.4秒で100km/hまでの加速が可能です。自動運転はレベル2(部分運転自動化)に対応。そして車内カメラによる顔認証に対応し、運転者に応じたシートポジションのセッティングなども行なわれるとのこと。さらにコックピットには15.6型で2Kのセンターディスプレーを搭載、HarmonyOSが搭載されています。

Aito M5の車内。15.6型2Kディスプレー上でHarmonyOSが動く

 タッチ操作対応のディスプレーはタブレットのように見えますが、UIは自動車用にカスタマイズされており、ナビゲーションなどコンテンツを常に表示できるようにアプリアイコンは下部に並びます。車内温度や窓の開閉、シートポジション操作などは、すべてここからタッチ操作でできるようです。また4Gに対応しており、ホットスポットとなって乗客のスマートフォンやタブレットを接続することもできるようです。

自動車用にカスタマイズされたUI

 運転前にスマートフォンのナビで目的地を検索し、車に乗ったらそのままスクリーンをセンターディスプレーに切り替えて運転。目的地に着いたら再びスマートフォンの画面に戻す、といったことができるのもHarmonyOSの利点です。スクリーンの投影ではなく、アプリケーションそのものをほかのデバイス間でシームレスに切り替えできるのです。

スマートフォンとセンターディスプレー間でアプリの自動切替も可能

 車内でエンタメを楽しむために高音質なファーウェイのスピーカーも搭載。このあたりはタブレットやスマートスピーカーで培った技術をうまく応用しています。

車内のスピーカーはファーウェイが設計を担当している

 ドアロックはHarmonyOS搭載デバイスから可能で、ファーウェイのスマートウォッチを自動車の鍵としても使えます。カーシェアリングもこれなら楽にできそうです。

ファーウェイのスマートウォッチでドアロックの開閉ができる

 充電管理などもHarmonyOS搭載のスマートフォンで可能です。運転中にセンターディスプレーに対して音声で「充電場所を教えて」と聞いて、あとは自動的にナビしてくれる、なんて操作もできます。

充電管理もスマホで。ナビゲーションと組み合わせて効率的に充電できる

 Aito M5の価格は後輪駆動モデルが25万元、約452万円、四輪駆動モデルが28万元、約506万円です。中国では2021年12月23日に予約を開始し、5日間で6000台の注文があったほどの人気となっています。スマートデバイス間の連携がシームレスなHarmonyOSを使ったドライブ体験、どのようなものか発売になったらぜひ乗車してみたいものです。

テスラ超えの乗車体験が期待できるか?

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