ファーウェイが展開するHarmonyOSは、様々な家電にも搭載が進んでいます。HarmonyOSの最新バージョン2.0では複数のモバイルデバイス間での画面共有が可能など、AndroidやiOSよりも優れた機能を搭載しています。家電との連携もスマートフォン側で調べたレシピの調理設定をHarmonyOS搭載スマートオーブンに転送する、といったことも可能になります。
そんなHarmonyOSは対応機器を大きく拡大しています。しかも家電を超えて「デバイス」とは言えない製品にも搭載が始まっています。それが自動車です。
ファーウェイがソフトウェア、中国の自動車メーカー「Seres」がハードウェアを担当し共同開発したプラグインハイブリッド自動車「Aito M5」は世界初のHarmonyOSを搭載する自動車です。ちなみにAITOとはAdding Intelligence to Autoの略だそうです。
Aito M5はホイールベース2880mmのSUVで、電気駆動システムにはファーウェイのDriveONEを搭載。最大走行距離は1242km、4.4秒で100km/hまでの加速が可能です。自動運転はレベル2(部分運転自動化)に対応。そして車内カメラによる顔認証に対応し、運転者に応じたシートポジションのセッティングなども行なわれるとのこと。さらにコックピットには15.6型で2Kのセンターディスプレーを搭載、HarmonyOSが搭載されています。
タッチ操作対応のディスプレーはタブレットのように見えますが、UIは自動車用にカスタマイズされており、ナビゲーションなどコンテンツを常に表示できるようにアプリアイコンは下部に並びます。車内温度や窓の開閉、シートポジション操作などは、すべてここからタッチ操作でできるようです。また4Gに対応しており、ホットスポットとなって乗客のスマートフォンやタブレットを接続することもできるようです。
運転前にスマートフォンのナビで目的地を検索し、車に乗ったらそのままスクリーンをセンターディスプレーに切り替えて運転。目的地に着いたら再びスマートフォンの画面に戻す、といったことができるのもHarmonyOSの利点です。スクリーンの投影ではなく、アプリケーションそのものをほかのデバイス間でシームレスに切り替えできるのです。
車内でエンタメを楽しむために高音質なファーウェイのスピーカーも搭載。このあたりはタブレットやスマートスピーカーで培った技術をうまく応用しています。
ドアロックはHarmonyOS搭載デバイスから可能で、ファーウェイのスマートウォッチを自動車の鍵としても使えます。カーシェアリングもこれなら楽にできそうです。
充電管理などもHarmonyOS搭載のスマートフォンで可能です。運転中にセンターディスプレーに対して音声で「充電場所を教えて」と聞いて、あとは自動的にナビしてくれる、なんて操作もできます。
Aito M5の価格は後輪駆動モデルが25万元、約452万円、四輪駆動モデルが28万元、約506万円です。中国では2021年12月23日に予約を開始し、5日間で6000台の注文があったほどの人気となっています。スマートデバイス間の連携がシームレスなHarmonyOSを使ったドライブ体験、どのようなものか発売になったらぜひ乗車してみたいものです。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む
★ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

この連載の記事
-
第781回
スマホ
まだまだ生き残っているWikoのスマートフォン、2025年モデルを確認した -
第780回
スマホ
今度のアストンマーティンスマホは「タイヤ交換」のようなカメラ部のデザイン変更が面白い -
第779回
スマホ
深圳のOPPOストアで望遠レンズスマホを体験! 最新モデルを触ってきた -
第778回
スマホ
中国で折りたたみスマホ競争が激化、サムスンが高級モデル「W26」を発売 -
第777回
スマホ
エントリースマホが一変! HMD「Fusion」の機能性カバーが便利すぎたのでほかのスマホにもほしい -
第776回
スマホ
地下通路にズラリと並ぶ中古スマホ屋たち! 中国・重慶のスマホ市場のカオスっぷりが楽しい -
第775回
スマホ
「メイド・イン・サウジ」中東で作られたタフスマホをドバイで発見! -
第774回
スマホ
最新スマホをフライング展示、HONORのフラッグシップストアが深センに開業 -
第773回
スマホ
手のひらサイズの超小型端末「Qin K25」はキッズフォンを超えたAIスマホだ! -
第772回
スマホ
薄型スマホブーム到来、レノボやTECNOから製品が続々発表 -
第771回
スマホ
BALMUDA Phoneより小さい! HMD最新の小型端末「HMD Touch 4G」が驚異の軽量設計で登場 - この連載の一覧へ





















